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2019年12月29日(日)

守ろう公立・公的病院

再編反対25分の24議会

知事・病院長ら“オール秋田”

 厚生労働省は9月26日、全国の公立・公的病院424の再編・統合の検討を求めるリストを発表しました。この一方的な発表に秋田県内の各病院長、首長は「地域医療や病院の置かれた事情をまったく顧みていない。病院を守る」と表明。県議会と96%の市町村議会で「反対」の陳情や請願が採択され、佐竹敬久知事も「地方創生に逆行する」と批判しています。


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(写真)厚労省が名指ししたJA秋田厚生連の湖東厚生病院=秋田県八郎潟町

 秋田県では、大館(おおだて)市立扇田(おうぎだ)病院、地域医療機能推進機構(JHCO)あきた病院(能代市)、湖東厚生病院(八郎潟町)、横手市立大森病院、町立羽後(うご)病院の5病院が名指しされました。

 県社会保障推進協議会は11月1日、「地域の医療事情を考慮しない国の一律基準に基づく再編統合は行なわないことを国に求める意見書」提出を求める陳情を、全県25市町村議会に提出。12月議会で24の議会が採択しました。

 各議会への要請・懇談では、「地域包括ケアで頑張り、全国から視察も絶えない病院が名指しされるのは不思議だ。医師不足や交通の便を考えると、一律基準で名指しされては住民の医療は守れない」(横手市)、「医師不足で存亡の危機にあった病院を近隣市町村で財政支援し存続したばかり。名指しなどとんでもない」(八郎潟・五城目両町議会議長)などの声が相次ぎました。

 名指しされなかった自治体でも「人ごとではない」と、怒りや困惑、危機感が議会採択を後押ししました。

 県議会では「地域医療の実情を踏まえることを求めた意見書」請願が、7会派すべてが紹介議員となり全会一致で採択されました。

 横手市では「市立大森病院をまもる市民の会」が、1000人を超える署名を添え「大森病院を守る陳情」を市議会へ提出。満場一致で採択されるなど、県議会、各市町村議会が「再編・統合ノー」のオール秋田の声を国に突き付ける結果となりました。

 県社保協は、各地域の守る会、医療関係者・利用者などと連携して「公的病院等再編統合阻止の共同行動」を立ち上げ、学習・講演会、署名、宣伝などを強めようと準備を進めています。


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