2019年12月24日(火)
きょうの潮流
こんな女性がいたのか。驚きでした。女性写真家の草分け・山沢栄子(1899~1995年)の生誕120年を記念した展覧会が東京都写真美術館で開かれています▼これが写真? まるで抽象画のような斬新奇抜な作品群です。被写体は、自ら組み立てた青い透明なプラスチック板、渦巻き状のリールと針金で作った宇宙人の顔、クシャッとひねった緑と白の紙(自身の写真集を破ったものだとか)▼大阪の鉄工所に生まれ、東京の女子美術学校卒業後、洋画を学ぶべく27歳で単身渡米。生活費と学費のために女性写真家コンスエロ・カナガの助手となり、写真の魅力に引き込まれていきます▼約100年も前の日本です。「東京の学校へも『男の子は行っても女の子は行かなくてよい』と言われました。そこで人間というものを考えるようになったのでしょう。女の子がなぜ勉強してはいけないのか」と後に述懐しています▼帰国後、32歳で大阪に写真スタジオを開設し肖像写真家として活躍。戦争中も疎開先の長野で土地と人々の写真を撮り続け、戦後は広告写真も手がけました。いわく「写真は技術の仕事だから男子と同等である」「女性なるが故に写真代を安くする必要の更(さら)にないのを私は愉快に思ふ」。抽象写真を盛んに制作するのは70代から。「その年齢、その年齢でベストを尽くす」と語っていました▼今年、男女平等度ランキングが153カ国中121位へ後退した日本。女性たちが懸命に切り開いてきた道をさらに進め、広げていきたい。








