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2019年12月23日(月)

教育市場化にメスを

全国教育研究交流集会が閉会

 全国から教育研究者や教職員らが集まって東京都内で開かれていた民主教育研究所(民研)の第28回全国教育研究交流集会は2日目の22日、六つの分科会を行い、閉会しました。「『高大接続改革』と高校教育」の分科会には約30人が参加。大学入試問題や高校教育への民間企業の参入の問題などを議論しました。

 大東文化大学教授の松田洋介さんは、政府が進める「高大接続改革」は大学入試「改革」をてこに高校教育と大学教育を変えていくものと指摘。入試「改革」に見られるように民間業者の参入を積極的に推進し、公教育の運営自体に産業界の利害を直接もちこむものだと述べました。

 上田女子短期大学専任講師の小池由美子さんは、英語民間試験導入延期について、高校教師の間から「何でいまさら」「時間と労力を返せ」との怒りの声が出ていると紹介。入試「改革」は「強い経済力」のための人材育成と教育の市場化を狙う官邸・経済界の主導によるもので、とん挫させた意義は大きいとしつつ、根本にメスを入れる必要があると語りました。

 法政大学教授の児美川孝一郎さんは、現在の「改革」の焦点が高校教育にあるとし、公教育の価値を再認識し、市場化で何が起きるのかを広範な層に知らせていく重要性を指摘。富山県の高校教師は、入試対策のため一年中テストに追われているなどの学校の現状を語り、「自らの教育に哲学的信念を持つ」ことや、生徒の立場で考えることなどを自身の経験を通して強調しました。


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