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2019年12月19日(木)

きょうの潮流

 男女平等に貢献した人物を表彰したら、すべて男性だった。冗談のようなニュースが今年初め、アラブ首長国連邦(UAE)から伝わりました▼中東諸国のなかでは、平等度が高いというUAE。それでも、いまだに差別は根強く、法的にも男性が優遇されているといいます。今年の男女平等ランキングで、日本はその国を下回る121位。格差はひろがり、過去最低に沈みました▼主要7カ国では最下位。アジアのなかでも中国や韓国よりも低く、とくに政治の分野での女性不在が際立ちます。ジェンダー平等が世界の流れのなかで後退している日本は、社会のすみずみで性差の壁が立ちはだかっています▼きのう、喜ばしい判決が全国にひろがりました。安倍首相と親しいジャーナリストの山口敬之氏から性暴力を受けたとして、伊藤詩織さんが訴えていた裁判で勝訴。東京地裁は合意なき性行為を認め、山口氏の主張を「不合理」として退けました▼「本当にうれしい。少しずつでもこうした変化を。来年の刑法改正に向けて」。集まった支援者にそう語った伊藤さん。突然不起訴とされた事件の真相を明らかにし、性被害をとりまく遅れた環境を告発するための裁判でした▼娘に性交した実父が無罪になる、政権の中枢に座る人物がセクハラ罪はないと公然と口にする、この日本。なかったことにはできない、させてはならないと、ともに声を上げて、たたかいたい。すべての人びとの人権が保障される、平等な社会を実現していくためにも。


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