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2019年11月18日(月)

高知県知事選 志位委員長の訴え

 高知県知事選で、松本けんじ候補の勝利をめざして17日、高知市・香美市で行った日本共産党の志位和夫委員長の訴えは次の通りです。


写真

(写真)訴える志位和夫委員長=17日、高知市

 高知のみなさん、こんにちは。日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)

 まず私は、松本けんじさんを支援してくださっている野党各党のみなさん、すべての市民のみなさんに心からのお礼を申し上げるとともに、勝利のために共産党も党の総力をあげてがんばり抜く決意を申し上げたいと思います。(拍手)

土佐の自由民権の精神を現代に引き継ぐ政治家――松本けんじさんを知事におしあげよう

 今度の選挙の対決の構図は、わかりやすいですよね。

 市民と野党の統一候補―松本けんじさんVS自民・公明丸抱えの天下り官僚候補の一騎打ちです。

 高知県は、自由民権運動発祥の地です。こちらにうかがいますと、植木枝盛の「自由は土佐の山間より出づ」。この言葉を思いだします。みなさん。「誰一人取り残さない県政をつくろう」「国の言いなりでなく、高知からモノ申す県政をつくろう」と訴えている松本けんじさんこそ、土佐の自由民権の精神を現代に引き継ぐ政治家ではないでしょうか(拍手)。政党・政派の違いをこえて、みんなで力を合わせて、必ず知事に押し上げようではありませんか。(拍手)

教員増やし、県版学力テストをやめ、わかる喜びを伝える教育への改革を

 選挙戦をつうじて、県政をめぐる争点がはっきり浮かび上がってきました。

 その一つは、教育の問題です。

 松本けんじさんは、高知新聞のインタビューで、「知事になれば任期4年間で必ず成し遂げる公約を一つあげてください」との問いに、「先生の数を増やす。県版学力テストをやめて、先生が子どもに向き合えるようにする」。こう言っていますが、これはみなさんの切実な願いではないでしょうか。(拍手)

 私は、尾﨑知事が、安倍政権直結で進めてきた政治の中で一番悪いものが、子どもを「学力テスト」偏重の教育に追い込んだことにあると思います。

 いま全国学力テストは、小学校6年生と中学校3年生で行われていますが、高知県は中学校1年生、中学校2年生でも県版学力テストをやっている。小6から中3までは毎年テスト漬けになっているのです。

 学力テストの点数を上げようと、授業をそっちのけで「過去問」――過去の問題集を徹底的にやらせているとのことです。「過去問」をやらせている学校は、全国平均が44%に対して、高知は96%になっているのです。そのことによって現場がくたびれてしまい、先生がたいへんに忙しくなって子どもたちに向き合う時間がない。不登校の子どもさんが増えているという実態があります。

 みなさん、こんなやり方をこのまま続けていいでしょうか。相手候補は、「今まで以上にやっていきたい」と語っています。とんでもないことではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 子どもをテスト漬けにして本当の学力が育つでしょうか。私は、決して育たないと思います。子どもたち一人ひとりに物事がわかる喜びを伝える、事物に対する探究心を育てる、これが本当の教育の仕事ではないでしょうか(拍手)。その中からこそ本当の学力が育っていくのではないでしょうか。そういう本当の教育改革を、松本けんじさんにやってもらおうではありませんか。(拍手)

相手候補が自慢する「行政経験」とは国保料大幅値上げ――松本知事で値下げしよう

 みなさん、この選挙で、もう一つ議論になっているのが、「行政経験」です。

 相手候補は、「行政経験がある」と、さかんに自慢しています。「2年前から今年の夏まで大阪府の松井前知事の下で副知事をつとめた」と語り、「行政経験のない方に県政のかじ取りはまかせられない」と、松本さんの攻撃をしています。ならば私は、問いたいと思うんです。「一体、あなたが自慢する『行政経験』とはなんですか」と。

 相手候補が大阪でやってきたことを調べまして驚きました。国民健康保険料の大幅値上げをやってきた。

 いま安倍政権は国保の都道府県化を全国の自治体に押し付けています。国保の都道府県化とは、市町村がやっている値上げを抑えるための繰り入れや減免制度をやめさせて、連続大幅値上げを押し付けるという冷酷な政策なのですが、これを先駆けてやったのが大阪であり、その中心だったのが相手候補だったのです。

 大阪では、この2年間で、府内の98%の市町村が国保料の値上げをやっています。年収400万円・4人家族で国保料が45万円を超える自治体が2倍になり、半分近くの自治体を占めるところまで広がりました。全国最悪の国保値上げをやってきた。こんな「行政経験」など願い下げではないでしょうか。(拍手)

 しかも相手候補は、今年5月、財務省で開かれた財政制度等審議会の地方公聴会に参考人として出席し、“大阪でやったことを全国でもやるべきだ”とまで言っている。大阪の国保値上げを高知にもってくるなど、迷惑千万といわなければなりません。(拍手)

 松本けんじさんは、国保料の子どもの均等割を廃止することを公約に掲げています。均等割というのは、赤ちゃんが1人生まれると国保料が約3万円上がる、2人生まれると約6万円上がる(高知市の場合)。出産祝いを出すならわかりますが、「出産ペナルティー」で保険料をあげるというのは、間違った政治ではないでしょうか。(拍手)

 松本けんじさんに、知事になってもらって、子どもの均等割をなくして、国保料の大幅値下げを実現していこうではありませんか。(拍手)

埼玉、岩手に続き高知でも勝利し、「日本の世直し」ののろしをあげよう

 最後に、今度の選挙は、国の政治にも大きな影響をあたえます。

 いま「桜を見る会」が大問題になっています。安倍首相が自分の後援会の行事として私物化していた、国民の血税を使って買収を行っていたのではないか、という重大疑惑です。徹底的に野党共闘で追及していきたいと考えています。(拍手)

 こんな不景気のときに消費税10%を押し付け、トランプ大統領言いなりに日本農業を米国に売り渡そうとしている、そういう政権が、自分の後援会のために血税を食い物にする。もうお引き取り願おうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 この間、知事選は野党の連戦連勝です。野党共闘でとりくんだ埼玉知事選、岩手知事選の二つとも勝ちました。続いて高知で勝利すれば、日本の政治に大きな衝撃が走ることは間違いありません。

 自由民権運動の発祥の地・高知から、松本けんじ知事誕生で、「日本の世直し」ののろしをあげようではありませんか。(大きな拍手)


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