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2019年10月23日(水)

「JCP With You」トーク集会での志位委員長のあいさつ

 日本共産党本部で21日開かれた「JCP With You」チーム主催のトーク集会での志位和夫委員長のあいさつは次の通りです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=21日、党本部

未来を取り戻し、尊厳を取り戻していく場となっているフラワーデモ

 日本共産党の志位和夫です。今日は、ようこそおいでくださいました。一言ごあいさつ申し上げます。

 私も3月の司法の不当判決にはショックを受けました。政治の場にある者として責任を感じました。その後、フラワーデモが始まったと聞きました。私も参加して話を聞いてみたいと思い、8月11日に行われた東京のフラワーデモに参加し、2時間ほどお話を聞きました。たいへん感動いたしました。

 一人ひとりのお話は、大変つらい体験を話しておられます。「性暴力だという認識を長い間もてなくて苦しい思いをした」という方も少なくありませんでした。とても胸が痛くなり、苦しくなる、そういう話の連続なのですが、話の最後は温かい雰囲気の中で話が終わる、温かい拍手が起こる。私は、ずっと聞いていて、性暴力被害者の方々が話すことによって、未来を取り戻している、あるいは尊厳を取り戻していく、そういう場なんだと思いました。

人ごとでなく自分の事として受け止め、温かく安心して話せる場の力が

 もう一つは、フラワーデモという場の力です。これにたいへん感動しました。

 一人ひとりのスピーチを、みんな人ごとではなくて、自分のこととして受け止めて、本当に真剣なまなざしを向け、聞いている。本当に集中したイベントでした。

 途中でハンドマイクの調子が悪くなり音が出なくなりまして、私などは職業柄、拡声器の音が出なくなると非常に心配になるほうでハラハラしていましたが、主催者の方が「申し訳ないけれど、ハンドマイクの調子が悪いのでここから先は肉声でやります。みなさん、そばに寄ってください」と言ったところ、参加者のみなさんがさっとそばに寄って、帰る方がいなかった。真剣なまなざしを向け、一人ひとりが温かく寄り添うように、話を聞いていました。

 そういう温かく安心して話せる場をつくってこられた、北原みのりさんをはじめとする主催者のみなさんに、私は心からの敬意を申し上げたいと思います。フラワーデモの場では私は発言する立場ではないので聞いているだけでしたが、この場をお借りして、全国のフラワーデモの参加者のみなさんに、またこの運動に共感を寄せているみなさんに、心からの連帯を申し上げたいと思います。(拍手)

性暴力をなくすことは、ジェンダー平等社会をつくるうえで絶対不可欠

 これはどうしても社会を変えなければならないと思います。性暴力被害者がおびえないで、尊厳を持って生きていくことのできる社会をつくらなければなりません。

 そして何よりも、女性に対するあらゆる形態の暴力を根絶する。そういう社会をつくっていかなければならない。それは、ジェンダー平等社会をつくるうえで絶対不可欠の問題だと思います。

刑法改正――戦前、女性が無権利状態の時代につくられた考え方が問題

 そのために当然、刑法改正が必要になってきます。「暴行・脅迫要件」をなくす。「同意要件」をつくる。これらは当然のことだと考えています。

 ただ考え方がとても大事だと思っておりまして、やはり今の刑法は戦前、明治時代につくられた刑法です。この時代は、女性はまったく男性の従属物とみられ、まるで「財産」のようにみられていた。女性に対する性暴力もいわば「財産」が「毀損(きそん)」された程度にしか扱われず、人権の問題と考えられなかった。その時代に「暴行・脅迫要件」は、これは「貞操」を守るために抵抗しなくてはならないのだ、抵抗しなかった被害者が悪いのだ、加害者は悪くないのだ、こういう価値観をつくりだしてきた。それを戦後もそのまま引きずる政治の責任は非常に重いと考えております。

「With You」――みなさんの話に学びながら一緒に前進していきたい

 ですから考え方を根本からあらためて、性暴力被害者に寄り添う、そして本当に性暴力をなくす、そしてジェンダー平等社会をつくる。このためにみなさんと一緒に頑張っていきたいと思います。

 私も分からないことが多くて、みなさんの話に学びながら一緒に前進するということでこの運動に参加させていただいております。ですから「JCP With You」となっていますが、そういう姿勢で、みなさんとどうか、これからも一緒にいい社会をつくっていきましょう。(拍手)


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