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2019年10月22日(火)

きょうの潮流

 「長くつ下のピッピ」などで知られるスウェーデンの作家、アストリッド・リンドグレーンは1978年の10月22日にドイツ書店協会平和賞を受賞しました。授賞式のスピーチで彼女は子どもへの暴力反対を訴えました。代々引き継がれてきたムチを使ったしつけはやめるべきだと▼日本でも『暴力は絶対だめ!』として出版されているスピーチで、彼女は述べています。「世界には暴力、圧制があふれていて、子どもたちは、暴力は当たり前に起こるのだと思うだろう。だから、物事を解決するには暴力以外の方法があることを、私たちはお手本として示さなくてはならない」▼それから41年。日本では虐待事件が相次ぐ中、「体罰」を禁止する法改正が行われました。しかしその後も虐待は起きています▼東京都目黒区で5歳の女児が虐待死した事件では、先日、父親に懲役13年が言い渡されました。女児を殴った行為は、しつけからかけ離れた「感情任せの虐待」だと判決は厳しく批判しています▼虐待の背景の一つに激しい競争社会が挙げられます。競争に勝ち抜ける子どもに育てなければという焦り。そして思い通りにならない子どもへの憤りの感情。孤立した子育てをする家庭への支援が求められます▼リンドグレーンは子どもへの暴力をやめようというスピーチをこう結びました。「そうすることで、少しずつでも世界平和に貢献することができるかもしれない」。子どもの命と尊厳を守ることが、人類の平和につながることを願って。


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