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2019年10月21日(月)

被災者支援の各種制度の適用を

実態に合わせ柔軟に運用、拡充させよう

 内閣府は、『被災者支援に関する各種制度の概要』という冊子を出しています。その後の国会論戦や各地の運動で、さらに前進させてきました。これまでかちとってきた制度をきちんと適用させるとともに、制度にあわせるのではなく、実態にあわせて柔軟な運用、拡充をさせていくことが大切です。避難所の生活環境の改善は、17日付で紹介しましたが、順次紹介していきます。


罹災(りさい)証明の申請にあたっての留意点

表:罹災証明書で証明される被害の種類

 罹災証明書は、災害で被災した住宅や物置などの「被害の程度」を市町村長が証明するものです。「被害の程度」には、「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」などがあります。被災者が市町村に申請し、市町村による被害状況の調査、罹災証明書の発行、各種被災者支援措置の流れになります。

 被災者生活再建支援金の支給や住宅の応急修理、義援金の配分など、ほとんどの支援制度が罹災証明書の提出を義務づけています。今年の台風15号災害までは、「一部損壊」には公的な支援がなかったため、罹災証明の発行を適切に行わせることは、被災者の支援を左右する大きな問題となります。

半壊以上の認定に

 台風15号被害に際して内閣府は「住家の被害認定調査の効率化・迅速化に係る留意事項について」(9月20日付)を出しました。10月1日の日本共産党の武田良介参院議員の質問への答弁で、台風後の大雨被害を加味して、屋根や天井などの損傷面積を過小評価しないこと、また、別表のような損傷が一つでもあれば、半壊以上の認定にあたることを明確にさせています。

写真で被害状況を残す

 罹災証明の発行に当たっては、被害の状況を写真に残しておくことが重要になります。別表のような箇所があれば、被害の場所や状況が分かるように、近景と遠景の写真を残しておくことが大切です。また、浸水被害の場合は、水につかった深さが分かるようにメジャーなどを活用して遠近両方を撮影することが有効です。

簡素化・迅速化

 罹災証明の申請は、被害者が何度も役所に出向く必要があります。

 今回、川崎市は発行手続きが自宅で済ませられるように、市職員が被災地域を戸別訪問する取り組みを17日から始めました。浸水の激しい区を中心に、住民の申請がなくても、職員が一軒ずつ巡回しながら建物被害の認定調査を行って、その場で申請も受理するというものです。

調査結果に納得がいかなかったら

 認定結果に納得がいかない場合、罹災証明書交付後でも市町村に再調査を依頼しましょう。政府も「災害対策基本法等の一部を改正する法律による改正後の災害対策基本法等の運用について」(2013年6月21日付)で、「被災者から市町村に住家被害等の再調査を依頼することが可能であることを、被災住民に十分周知するように配慮されたい」としています。


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