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2019年10月16日(水)

論戦ハイライト

参院予算委 台風19号対応で井上議員

井上氏 内閣府ガイドライン徹底を

防災相 被災者支援で極めて重要

写真

(写真)質問する井上哲士議員(右端)=15日、参院予算委

 台風19号が各地に甚大な被害をもたらした後初めての国会論戦となった15日の参院予算委員会。日本共産党の井上哲士議員は、堤防が決壊し千曲川が氾濫した長野市を調査したことを踏まえ、政府に「被災者の命を救うことを最優先にしながら、これまでの枠を超えたきめ細やかで迅速な支援を速やかに現場に届けよ」と求めました。

枠にとらわれず

 井上 心が折れそうになっている被災者のみなさんが、希望をもって生きられるようにすることが必要だ。

 安倍晋三首相 国としては、できることはすべてやる。

 被災した長野市の調査を踏まえ、「災害が従来と異なる様相になるもとで、被災者支援の仕組みもこれまでの枠を超えたものが必要だ」と迫った井上氏。安倍首相は「できることはすべてやる」と明言。武田良太防災相は「引き続き人命第一で災害応急対応に全力で取り組むとともに、被災地の課題やニーズの先手先手の把握に努め、できる限りの早期の復旧に全力で努める」と答えました。

 井上 内閣府「避難所運営ガイドライン」の徹底を。

 武田防災相 避難所の生活環境の改善は、被災者を支援する上で極めて重要だ。

 内閣府が2016年に発表した「避難所運営ガイドライン」は、避難所を「被災者の拠(よ)り所」「支援拠点」と位置付け、その「質の向上」を提起しています。

 井上氏は、ガイドライン(別項)を紹介し、「これを生かしながら発展させよ」と求めました。

 武田氏は、日本共産党の志位和夫委員長から直接、要請があったことに触れ、「(志位氏の要請を)ただちに担当部局に指示した。引き続き(被災者の)ニーズの把握に努め、きめ細かな支援を行う」と表明しました。

 井上氏が避難所に対する医療スタッフの派遣、福祉事務所の設置など、避難所の健康確保策を求めたのに対し武田氏は、「避難者の健康確保は最も重要だ。医療スタッフの派遣など避難者の健康管理への対応を厚労省と連携するよう指示した」と答えました。

行政が責任持て

 井上 泥や災害ゴミを行政の責任でいち早く撤去を。

 防災相 被災自治体と連携しながら、宅地に流れ込んだ泥や災害ゴミの除去を速やかに開始できるよう、一日も早い被災者の生活再建に向け、一丸となって取り組む。

 井上氏は、「住宅地に流れ込んだ泥や災害ゴミが深刻だ。多くの被災者のみなさんが、避難所から自宅に戻って途方に暮れる姿をずいぶん見てきた」と述べ、対策を求めました。

 武田氏は、「自治体が主体となって撤去を行う場合の経費は災害救助法の対象となる」と答弁。泥や災害ゴミの除去は環境、国土交通両省の事業の対象とされており、「両省の事業については契約業者を分けることなく、包括的かつ速やかに土砂等の排除を実施できるよう運用の明確化がされた。今回の災害もこの仕組みを利用して両省が連携して取り組まれる」と答えました。


内閣府の避難所運営ガイドライン(2016年4月)(抜粋)

 <はじめに>

・ひとたび災害が起こると、避難所は「住まいを失い、地域での生活を失った被災者の拠り所」となり、また「在宅で不自由な暮らしを送る被災者の支援拠点」となる。

・避難所を開設するだけにとどまらず、その「質の向上」に前向きに取り組むことは、被災者の健康を守り、その後の生活再建への活力を支える基礎となる。

 <前提となる事項の理解~「質の向上」の考え方~>

・本ガイドラインは、避難所において「避難者の健康が維持されること」を目標に、その質の向上を目指すものです。


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