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2019年10月14日(月)

台風19号 記録的大雨なぜ

かかり続けた雨雲

強力・大型の本体 上陸前には厚い別の雲

 台風19号は神奈川県の箱根町で降りはじめからの雨量が1年間に降る量の約3割に相当する1000ミリを超えるなど、関東甲信から東海、東北の各地に大雨を降らせました。気象庁は12~13日にかけて、13都県の市区町村でこれまでに経験したことのないような大雨となっているとして、これらの市区町村に大雨特別警報を相次いで発表。少しでも命が助かる可能性の高い行動をとるよう呼びかけました。

 大雨が降ったのは、台風19号が非常に強い勢力を維持したまま東海や関東に接近して上陸し、東北地方から三陸沖に抜けた台風に伴う非常に発達した雨雲がかかったためです。台風の風は、反時計まわりに吹きます。このため、温かく非常に湿った台風の風が当たりやすい山の南東斜面では大雨が降りやすくなります。

 台風19号は勢力が強いだけでなく、大きさも非常に大きかったため、強い雨が降る範囲も局地的でなく、非常に広く、各地で観測史上1位、または10月として1位の雨量を記録しました。このため、中小の河川だけでなく、大きな河川でも洪水の危険度が高まる結果となりました。

 台風19号は、台風本体の雨雲が日本列島にかかる前から各地に大雨を降らせていました。気象庁は台風19号が上陸する1日前の11日に、台風19号は「(静岡県の)伊豆や関東地方でも土砂災害が多発し、河川の氾濫が相次いだ、1958年(昭和33年)の狩野川(かのがわ)台風に匹敵する記録的な大雨となるおそれもある」と警告していました。

 12日の大雨特別警報の発表の際に会見した気象庁の梶原靖司予報課長は「台風中心をとりまく非常に発達した円形の雨雲とは別に、台風の北あるいは北西側に非常に分厚い発達した雨雲が広がっており、それがもろに関東地方などにかかり続け、その後に台風本体の雨雲がやってきて記録的な大雨を降らせた」と説明しました。(間宮利夫)


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