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2019年10月11日(金)

きょうの潮流

 目の前の子どもたちが混乱しているのに、何もしてやれない。教員としてこれほどつらいことはない…▼大学入学共通テストの民間英語試験実施まで、あと半年。なのに、7種類の資格・検定試験の実施日も実施会場も全容は不明なままです。全国高校長協会は2度にわたり、文科相に要望書を提出。「とにかく、いったん立ち止まってほしい」。萩原聡会長のこの言葉は、教育者として当然の願いです▼一方の萩生田光一文科相は「初年度は精度向上期間だ」「民間だから指導に限界がある」と繰り返すだけ。「受験生を実験台にするのか」と怒りは増すばかりです。制度に大きな欠陥があるとわかっても、やめようとしない。安倍政権の数々の暴走とダブります▼「自分一人が対応できればいい、という問題ではない」。国会で、文科省前で高校生自身が声をあげています。「おかしな実例をつくれば、今後数十年の若者の人生を大きく左右することになる」と、未来の仲間に思いをはせての行動。その高校生を市場の餌食にしようとする一部のおとなたちの、何と浅はかなことか▼民間任せで、入試に不可欠な公正性や公平性に誰も責任を負わない。大学教員は「せっかくこの大学を選んでくれた受験生に、そんないいかげんなものを受けさせたくない」と。文科省調査で「利用する」と答えた大学・短大は5割。この数字を文科省は正面から受け止めるべきなのに▼何でもかんでも強行突破。そんな繰り返しはもうごめん。その声をさらに大きく、未来を見据えて。


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