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2019年10月1日(火)

横田基地オスプレイ配備1年

夜間訓練増え「戦争状態」

特殊作戦拠点化進む

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(写真)自宅の窓からCV22オスプレイの飛行ルートを指さす前田眞敬さん=東京都あきる野市

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(写真)横田基地内でCV22オスプレイがホバリングしながら兵士を引き上げる「ホイスト(つり上げ)訓練」=9月26日午後6時51分(羽村平和委員会提供)

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 米軍横田基地(東京都福生市など5市1町)に空軍特殊作戦機CV22オスプレイ5機が正式配備されて1日で1年がたちました。人口密集地の上で昼夜を問わず危険な訓練が強化され、住民は恐怖を感じる日々を送っています。(斎藤和紀)

低周波で不快感

 「またきたか」―。横田基地から約2キロ離れた東京都あきる野市に住む前田眞敬さん(75)は、オスプレイ特有の重低音を聞くたび、2階に急いで一眼レフカメラを手に取り、寝室の窓から撮影します。

 在日米軍の空輸拠点である横田基地にはC130J輸送機が14機配備されており、頻繁に低空で飛んでいます。加えて昨年4月のCV22初飛来以来、騒音が増加しています。

 前田さんは昨年秋から自宅周辺を飛ぶ米軍機を撮影し、ブログに「我が家の空模様」と題して写真を掲載。CV22は週2~3回の頻度で、午後4時から9時ごろにかけて3~5回ほど、多いときは10回以上飛行します。6月20日には午後3時55分から8時32分までに15回も飛行するのを確認しました。前田さんは声を震わせます。「夕方から夜にかけては戦争状態ですよ。騒音以上に恐怖感が強い」

 自宅を4年前に防音性の高い家に建て直しましたが、CV22の飛行時の重低音は建物全体を揺らすように響きます。妻の道子さん(72)はCV22の音を聞くと気分が悪くなるときがあるといいます。オスプレイは、建物のがたつきや人に不快感、威圧感を与える低周波音を発生させます。「機体の形がはっきり見えるぐらい低空で飛んでくるので怖い。家のすぐ上を飛行すると私たちが狙われているように感じます」と道子さんは言います。

 CV22の配備以降、横田基地周辺の騒音被害は増加しています。福生市の航空機騒音調査によると、2018年度に市内2カ所で確認された飛行回数は前年度比で2208回増の1万3943回でした。時間帯別にみると、午後7時から10時までの飛行回数は3103回で前年度比974回増加しました。東京都瑞穂町の航空機騒音測定結果によると、18年度に箱根ケ崎民家周辺で確認された回転翼機の数は3225回で、前年度比で約2・2倍に急増しました。

市民に銃口向け

 「横田基地での訓練の質や雰囲気が変わってきている」と日本共産党の市毛まさひろ福生市議は指摘します。横田基地内では、CV22がホバリングしながら兵士や荷物を引き上げたり、下ろしたりする訓練を実施(写真)。敵地で特殊部隊を展開・回収することを想定した訓練です。10~30分ほどホバリングするため周辺に騒音被害をもたらします。

 CV22の機体後部に備え付けられた機関銃の銃口を住宅地に向けながら飛行する訓練も頻繁に行っています。多くの学校や保育園、病院が存在する住宅地を戦場に見立て、標的にした訓練だとみられます。

 横田基地周辺でのパラシュート降下訓練は規模が大きくなっています。米軍は9月23日から5日間でのべ120人規模の降下訓練を実施しました。市毛議員は「C130Jによる高高度パラシュート訓練では、音もなく突然米兵がパラシュートで降りてくる。敵地に隠密で侵入することを想定した訓練だと実感した」といいます。「この1年で横田基地は、特殊作戦部隊の拠点として強化された。米軍は24年までにオスプレイを10機に増強すると計画していますが、騒音被害も拡大し、許されません」


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