2019年9月28日(土)
民間英語試験導入の作業部会
8人中 利害関係者5人
野党合同でヒアリング
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2020年度から始まる大学入学共通テストでの民間英語試験導入についての野党合同ヒアリングが27日、国会内で開かれました。民間試験の共通テストへの採用にあたってそれぞれの試験が国際標準規格「CEFR(セファール)」に対応しているか確認するための文部科学省の作業部会のメンバー8人中5人が、民間英語試験を実施している団体の職員だったことが明らかとなりました。
作業部会は「英語の資格・検定試験とCEFRとの対応関係に関する作業部会」。メンバーには民間英語試験を運営している「ベネッセコーポレーション」(試験名・GTEC)、「ケンブリッジ大学英語検定機構」(ケンブリッジ英語検定)、「日本英語検定協会」(英検)、「国際教育交換協議会」(TOEFL)、「国際ビジネスコミュニケーション協会」(TOEIC)の職員が名を連ね、いずれの民間試験も共通テストに採用されています。
民間試験導入で利益を得る団体の職員が、採用要件の一番の要である国際標準規格との対応確認を行っていたことになります。
野党合同ヒアリングでマイクを握った高校2年の男子生徒は「試験を実施する団体が対策本や対策講座を開く。中間搾取を感じずにはいられない」と批判。別の高校2年の男子生徒は、母子家庭で生活が苦しいのに、民間英語試験のための教材購入や受験料など経済的不安が増していると語り、「既得権益を拡大するための民間英語試験導入は中止してほしい」と訴えました。
文部科学省は「懸念を解消し当初のスケジュール通り実施できるよう全力を挙げる」と繰り返しました。
日本共産党の畑野君枝衆院議員、吉良よし子、山添拓の両参院議員が参加。畑野氏は「試験導入の問題は明らか。延期・中止しかない」と主張しました。