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2019年9月27日(金)

きょうの潮流

 荒天のため頂上を前に下山したことは何度かあります。しかし、穏やかに晴れた日、登れない山頂に向けて手を合わせ、下りた経験は御嶽山(おんたけさん)だけです▼2014年9月27日、長野・岐阜県境にそびえるこの山の噴火から5年を迎えました。死者58人、行方不明5人。筆者が登ったのは三回忌の2日前。噴火前ここに登山を計画していた身として人ごとではありませんでした。あの日登っていたらどうなったか▼花束を持ったご遺族と行き会いながらの登山でした。道はかなり復旧していましたが最高点の剣ケ峰は立ち入り禁止。山頂を望む二ノ池では道標が膝のあたりの低さでした。1メートル以上あったはずの道標をそこまで埋めた火山灰の量に戦慄(せんりつ)を覚えました▼記録、検証がいくつか刊行されています。生還した人の証言はあまりにすさまじく、簡単には紹介できません。一つ言えるのは、他の災害と同様、風化させてはならないということです▼「日本百名山」の一つ。中腹までロープウエーで登れる3千メートル峰とあって人気は高い。剣ケ峰は期間を限って通行規制が解除されました。シェルターの整備など安全対策も進みました▼ただ、日本は火山列島です。火山の恵みを受ける一方、噴火は避けられない自然現象です。予知技術も、あらかじめ噴火の時間や場所を特定して警報を発するには至りません。その後も噴火による死者はなくなっていません。火山に親しみつつ火山を知り、備えを続ける。63人の方々が命を賭して残してくれた教えです。


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