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2019年9月17日(火)

汚染水放出発言 「自分は捨て石に」

原田前環境相が開き直り

 「誰かが言わなければならない、自分はその捨て石になってもいい」

 環境相時代の10日の会見で、東京電力福島第1原発から流出している放射能汚染水について「(海に)思い切って放出して、それを希釈するという選択肢しかない」と発言して批判を浴びた原田義昭衆院議員が、インターネット上で開き直りの記事を掲載しています。

 原田氏は12日、インターネット交流サイト・フェイスブックに、放出発言について「記者団は少し騒ぎになりました。しかし私は、これでいずれは世の中が変わる、という不思議な自信も付いてきました」などと無反省な言葉を並べた記事を投稿。自らを、今すぐには効果はなくても将来役に立つと信じて行う行為のことを指す「捨て石」になぞらえました。

 原田氏の汚染水放出発言には、全国漁業協同組合連合会の幹部が11日に環境省を訪れ「発言は、絶対に許されない。全国の漁業者を代表して、断固反対するとともに、撤回を求める」「本格操業の再開を心待ちにしている地元漁業者の不安、国内外での風評被害の広がりなど、我が国の漁業の将来に与える影響は計り知れない」との抗議文を原田氏あてに提出。漁業関係者をはじめ厳しい批判が上がっています。

 福島原発の汚染水をめぐってはさらに、処理設備で“浄化”したはずの水の8割以上に、トリチウム(3重水素)以外の放射性物質が国の放出基準(告示濃度限度)を超えて残っていることが明らかになっています。海洋放出するような状況は全くなく、放出発言は不見識極まりないものです。

 原田氏の開き直りの背景には、原発事故による被災者・被災地を切り捨てる安倍政権の姿勢があります。


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