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2019年9月13日(金)

安倍首相、大規模停電中も内閣改造に熱中

対策本部も未設置 閣僚に指示なし

 「千葉が台風15号で大被害が出ている時に安倍氏は組閣に夢中で災害に関心がないらしい」「台風15号で大変な時に、災害対策は後回しにして、お友達いっぱいの組閣に一生懸命邁進(まいしん)するこのクニの総理大臣」

 11日の第4次安倍内閣の再改造を受けて、ツイッターではこんな声があふれています。

 9日未明に首都圏を襲った台風15号により、11日も千葉県内を中心に約44万軒が停電。台風一過の猛烈な暑さが続くもとで、停電でクーラーが使えず、熱中症とみられる症状で2人が亡くなるなど、復旧の遅れが命と健康を脅かす事態になっています。

 政府が台風15号などの接近に伴い官邸危機管理センターに情報連絡室を設置したのは6日。8日午前には気象庁が会見を行い、「8日夜遅くから9日昼にかけて首都圏を含め記録的な暴風雨の恐れ」があるとして、最大限の警戒をよびかけました。

 しかし、首相動静を見ると、安倍晋三首相にこれを受けた動きはありません。翌9日午前10時すぎになって、ようやく内閣危機管理監と気象庁長官が官邸に呼ばれ、台風の状況などをめぐって報告をうけたとみられますが、その後、安倍首相が面会したのは、河村建夫自民党衆院議員や世耕弘成経済産業相、経産省通商政策局長らばかり。10日も朝の閣議後も、防災関係の閣僚が呼ばれた形跡はありません。

昨年は赤坂自民亭

 このもとで迎えた11日は終日、自民党新役員人事・内閣再改造への対応ばかり。夕方の会見で、安倍首相は冒頭、台風15号の被害に言及しましたが、経産相、復興相、防災担当相ら関係する新閣僚を紹介する際には、緊急対応を求めることすらしませんでした。災害対策本部も12日午後7時現在設置していません。

 昨年7月、「赤坂自民亭」と称する飲み会の開催と、西日本豪雨災害での初動の遅れに対する大きな批判が沸き起こりましたが、今回の一連の経過を見ても、国民の命と健康を第一にした対応とは到底いえません。

 政府の最優先課題は、内閣改造などではなく、停電・断水の復旧にこそあります。(行沢寛史)


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