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2019年9月6日(金)

「選挙は売名」公言のN国

居住実態なく地方選立候補連発

有権者はそっちのけ

 「すべての選挙は売名が目的」と公言してはばからない「NHKから国民を守る党」(N国、立花孝志党首)。居住実態がなくても地方選に立候補することを繰り返すという新たな反民主主義的実態が明らかになりました。

 東京都新宿区選挙管理委員会は2日、4月の区議選で1848票を獲得し、初当選したN国の区議について、区内での居住実態が認められず被選挙権がなかったとして、公職選挙法にもとづき当選を無効としました。

 公選法は、市区町村議会選などの被選挙権は3カ月以上、その自治体に住むことが必要としていますが、住んでいない人の立候補を拒む規定がありません。このため、N国は、これまでも、当選無効となることを承知のうえで、「被選挙権なし」での立候補を“強行”してきました。

 今年の統一地方選では、兵庫県議選(伊丹市選挙区)、兵庫・播磨町議選でも居住実態がないのに立候補、それぞれ2992票、110票の得票が無効となりました。5月27日の東京・足立区議選(定数45)には墨田区在住の女性が立候補、57人中8位にあたる5548票を集めましたが、当選無効となりました。

 N国の“売名”のための立候補によって、有権者が無駄な票を投じたことになります。

 一方、7月の参院選東京選挙区に立候補、落選した後、8月4日投票の千葉県柏市議選(定数36)で3003票を獲得、14位で当選した大橋昌信氏は、今年4月までは埼玉県朝霞市議でした。「朝霞市より柏市のほうが、歳費が高い」というのが朝霞市議辞職の理由でした。

 党首の立花氏自身、千葉県船橋市議の任期半ばで、東京都知事選に立候補したり、東京・葛飾区議のときに大阪・堺市長選に立候補、そして今回の参院選比例区で当選―と有権者そっちのけで「選挙」を利用してきました。

 立花氏はタレントのマツコ・デラックスさんのテレビ番組での発言を「N国支持の有権者に対する侮辱行為だ」などと反発し、マツコさんが出演する番組の生放送中にテレビ局に再三押しかけて“抗議”する騒ぎも起こしています。有権者を侮辱しているのはどちらか―。

 戦争をあおる発言を繰り返す丸山穂高衆院議員(元日本維新の会)を入党させ、「表現の自由だ」とかばうばかりか、副党首にすえるなど、話題になりさえすればいいという同党の姿勢は厳しく問われなければなりません。(藤沢忠明)


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