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2019年9月5日(木)

東京五輪 旭日旗容認

組織委「持ち込み禁止せず」

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は韓国メディアにたいし、「旭日(きょくじつ)旗の会場持ち込みを禁止しない」とする方針を示していたことが4日までに明らかになりました。

 この問題については8月29日、韓国国会の文化体育観光委員会が、旭日旗は「日本が帝国主義と軍国主義の象徴として使用した」とし、競技会場への持ち込み禁止を求める決議を採択していました。

 組織委員会は「旭日旗は日本国内で広く使用されており、旗の掲示そのものが政治的宣伝とはならない」としています。

 これにたいし韓国外務省は「日本側が謙虚な態度で歴史を直視する必要がある」とのべ、「是正されるよう努力する」としています。

 旭日旗は戦前、日本の陸海軍旗として使用され、韓国、中国などから「侵略の象徴」とされています。サッカーではしばしば日本のサポーターがスタジアムで掲げ、問題となっていました。


解説

侵略・軍国主義の象徴 五輪の理念に反する

 旭日旗は韓国にとどまらず、アジアの人々にとって日本軍国主義の象徴です。

 戦争当時、日本海軍の軍艦旗、陸軍の連隊旗として使用されていたからです。現在も自衛隊旗として使われています。

 多くのアジアの人々が会場でこの旗を目にしたとき、どんな思いになるかは想像に難くありません。

 スポーツの場で旭日旗の持ち込みが許されないとの判断はすでに下されています。

 2017年4月、サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の水原(韓国)と川崎の試合。川崎のサポーターが相手本拠地で旭日旗を掲げて大きなトラブルになりました。その際、アジアサッカー連盟(AFC)はこう裁定しています。

 「相手チームに侮辱感を与え、政治的と認識されるスローガンを示す行為を禁止した懲戒規定に反する」。旭日旗の本質を突いたものです。

 スポーツを通じて平和の礎を築く場が五輪です。旭日旗が現実に戦争の中で果たしてきた役割を考えると、その理念に反すると言わざるをえません。

 組織委員会は、世界の人々が平和な雰囲気で交流できる舞台を整える大きな責任があります。この誤った判断を早急に見直すことが求められます。(和泉民郎)


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