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2019年9月1日(日)

きょうの潮流

 80年前の9月1日、ドイツの大軍がポーランドに侵攻しました。英仏は2日後ドイツに宣戦を布告。第2次世界大戦の開戦です▼数千万人が犠牲になった悲劇を繰り返さない―この誓いを基に欧州連合(EU)が築かれました。基本理念の一つが「寛容」です。異なる国民、民族同士が共存する原則です。今それが揺れています▼各国で移民排斥勢力が伸長しています。英国ではEU離脱強硬派のジョンソン首相がトランプ米大統領流の自国第一主義を掲げます▼ポーランド政府は大戦勃発80年の行事にドイツのシュタインマイヤー大統領を招きましたがロシアのプーチン大統領は招きません。ヒトラーとの秘密協定に基づきドイツの侵攻開始後ポーランドに侵攻したのがソ連。ロシアとは冷たい関係が続きます▼ドイツのワイツゼッカー大統領が国会演説で「過去に目を閉ざさない」ことを訴えたのがドイツ敗戦から40年の1985年5月8日でした。欧州はそのときから一路後退しているわけではありません。今年5月の欧州議会選挙で極右派の伸びは予想を下回り、親EUの緑の党や中道派が躍進しました▼欧州の苦闘は人ごとではありません。日本政府は朝鮮半島の植民地支配を不法と認めていません。その上、安倍晋三首相はかつて日韓パートナーシップ宣言で日本政府が表明した「植民地支配への反省」を投げ捨てる異常な態度をとり続け、日韓関係を悪化させています。過去と真剣に向き合わない者は未来を語ることもできません。


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