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2019年8月28日(水)

きょうの潮流

 「当時と比べると発言しやすくなりバリアフリーも進んでいます。とはいえ、就労などの問題をいまだに引きずっています」。そう語っていた金澤秞子(ゆうこ)さん。当事者として障害者運動を50年以上けん引した一人です。今月、79年の生涯を閉じました▼参院選直後、金澤さんから「改憲勢力3分の2を阻止できたことは一安心です」と久しぶりのメールが。その中で、少子化は自然現象ではなく悪政の結果だと。「私が結婚に踏み切れなかったのも所得・出産・子育ての不安からでした」―。初めて知る話でした▼運動に飛び込む前は、女性としての差別に加え障害者差別という二重の差別に苦しみました。緊張で顔がゆがむとからかわれる。障害を理由に公立高校は不合格。高3で公務員試験を受け1次は合格しても2次面接で落ちた…▼20代前半までは、思い通りの人生を歩めなかったと金澤さん。「障害の有無にかかわりなく、人間は同じ発達の筋道を歩む」という理念に出合い、障害が原因なのではなく社会がさまざまな機会を奪ってきたことを学びました▼兵庫障害者連絡協議会事務局長として堀木訴訟にかかわり、障害者自立支援法違憲訴訟では原告に。障害があっても社会で活躍できる日本に変えたい。高齢障害者の社会参加の保障を。障害者の人権を守る社会に。そんなねがいを運動に込めていました▼障害者の前に立ちはだかる社会の壁を取り除く活動を引き継ぎたい。金澤さんの「なんでも憲法を軸にして考えなあかんな」の言葉を胸に。


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