しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年8月21日(水)

きょうの潮流

 立秋も終わるというのにこの暑さ。雨が降れば多く激しく。このところの荒ぶる天気は、死活にかかわる問題にさえ手を携えてとりくめない人間に怒っているかのようです▼先月の世界の平均気温は観測史上最も暑く、東京の区内では7月以降に熱中症で亡くなった人が100人をこえました。まさに命を危険にさらす暑さ。そのさなかに、来年オリンピックとパラリンピックが開かれます▼どうにかしてほしい。今夏、テスト大会にのぞんだ選手からは競技時間やコースの変更をもとめる声が相次ぎました。暑さにくわえ、会場となるお台場の海からは基準の2倍をこえる大腸菌が検出。トイレのような臭さと苦情がこぼれました▼「いまでも時期をずらすべきだと思う」。スポーツドクターで体温調節の専門家が本紙スポーツ欄の五輪連載で語っていました。最低限、中止や延期の基準をつくるべきだと。それは選手やスタッフはもちろん、観客やボランティアの安全をはかるうえでも主催者の義務でしょう▼「アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」。そう欺いた招致で思い返すのは世界に向けて「汚染水は完全にブロックされている」と言い放った安倍首相の演説です▼福島の原発事故による汚染水はいまも増えつづけ、3年後には貯蔵タンクも満杯に。いまだ制御できず、解決策すら見いだせない状況です。不安ばかりが先に立つ競技環境と、つのる懸念に向き合わない不誠実な態度。これが、おもてなしか。


pageup