しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年8月15日(木)

アルゼンチン大統領予備選

左派候補が首位 現職大統領に大差をつける

緊縮政策・物価高騰に審判

 アルゼンチンで11日実施された大統領選挙の予備選挙で、緊縮政策からの転換を訴える左派のアルベルト・フェルナンデス元首相が現職マクリ大統領に得票率で16ポイントの大差をつけ首位を確保しました。公共料金の値上げや国民向けの補助金削減など緊縮財政を続けてきたマクリ政権に国民が厳しい審判を下した形です。


 予備選は選管が管轄する公式なもの。得票1・5%未満の候補は10月27日の本選挙に参加できません。全有権者が対象で、本番を占う重要な情勢調査ともみられています。

 現地からの報道によると、12日に発表された公式集計(開票率98・7%)で左派連合「みんなの戦線」のフェルナンデス候補が49%を獲得。右派のマクリ氏は33%にとどまりました。

 マクリ政権は国際通貨基金(IMF)からの巨額の財政支援を受け、公務員の人員・給与の大規模削減を強行。電気やガス、公共交通への補助金を削減し、各種料金の大幅増、物価高騰を招いてきました。年率55%のインフレが国民生活を圧迫しています。

 これに反対し、国民の購買力引き上げと国内産業の復興を主張するフェルナンデス候補は、予備選の大勢が判明した11日夜、歓声を上げる支持者を前に「アルゼンチンは今日、審判を下した。私たち国民は新しい歴史を築き始めた」と演説しました。

 フェルナンデス候補支持の態度を明らかにしていた同国最大の労働組合・労働総同盟(CGT)のダエル書記長は12日、「逆転は非常に難しい結果だ」と指摘。マクリ大統領に対し、結果を受け入れ、賃上げなど労働者の購買力を高める緊急措置を取るよう要求しました。

 予備選は上下両院選や州知事選の候補者についても行われました。最多人口を占めるブエノスアイレス州の州知事選予備選でも、左派連合「みんなの戦線」のアクセル・キシロフ元経済財務相が与党候補を引き離して首位を獲得しています。


pageup