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2019年8月10日(土)

きょうの潮流

 「人類みなヒバクシャ」―。海外に発信活動をする長崎の若者が核兵器使用の恐怖と廃絶する大切さを感じてもらうため考えた“定義”です▼ヒロシマ、ナガサキの被爆者、世界各地で行われた核実験による被ばく者、核兵器の脅威の下、いつ次の被爆者になるかわからないリスクを抱え生きている私たち全員がヒバクシャだと▼被爆74年の今年、被爆者の平均年齢は82歳をこえました。「死ぬまで『核兵器廃絶』を訴え続けます」。長崎市平和式典で被爆者代表として決意を語った山脇佳朗(よしろう)さんは85歳です▼「被爆者の役目は核兵器の残酷さを伝えることだ」との思いから、60歳を過ぎて独学で学んだ英語による被爆体験の講話もします。「被爆者が生きているうちにあらゆる核保有国に『核兵器をなくそう』と働きかけて」と安倍晋三首相に直言しました▼「被爆者のいる時代の終わりにいることを共に考えよう」。田上(たうえ)富久長崎市長は、原水爆禁止2019年世界大会長崎でこう話しながら「核兵器をなくしていく最大の力は市民社会です」と強調。式典で「原爆は“人の手”によってつくられ“人の上”に落とされました。だからこそ“人の意志”によって、無くすことができます」と呼びかけました▼“人の意志”を表す一つがヒバクシャ国際署名です。「被爆者とともに核兵器のない平和で公正な世界」へ転換を。長崎で誓った思いを胸に、10カ月後に迫るNPT(核不拡散条約)再検討会議につなぐ行動を草の根で粘り強くコツコツと。


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