しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年8月8日(木)

きょうの潮流

 「今すぐ園に帰って保育をしたいです」。第51回全国保育団体合同研究集会の閉会セレモニーでの一コマ。次回開催地・福島に、愛知からバトンが渡されました▼子どもの気持ちを共有する時間やゆとりが奪われ、それが「当たり前」となり、やがて「あきらめ」となっていく…。「そんな保育でいいの?」と集った7074人。目の前の子どもの笑顔に心動かされて。子育てのつながりを求めて▼ところが、そんな思いを踏みにじるような動きも。仙台大学の大宮勇雄さんがフォーラムで報告したのは、保育の新指針。「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」のもつ危険性でした▼「あきらめずにやり遂げることで達成感を味わえ」と自立心を求め、「しても良いことと悪いことを理解せよ」などと規範意識を身に付けさせようとする。おとなだって無理なのに▼しかも、持ち込もうとするそのわけは「小学校教育の“前倒し”をしたいから」と。例示したのは、東京都教育委員会が3月に発表した「幼小の一層の円滑な接続を図るため」の教育課程の研究報告書。「円滑な接続」といえば聞こえはいいが、つまりは小学校の学習内容を幼児期にも。そのために「10の姿」が必要と。なんと貧しい子ども観か▼子どもの育ちや命までおろそかにする規制緩和の波も、すさまじい。それでも、子どもの幸せを奪おうとするものと常に立ち向かい、制度を切り開いてきたのは学び、つながる場があったからこそ。夢と希望の保育を、今こそみんなで。


pageup