2019年7月31日(水)
きょうの潮流
「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」(憲法26条)。けれど、憲法施行後30年以上も教育を受ける権利が保障されていない人たちがいました。重度障害のある子どもたちです▼「学校に行きたい」と願っても、保護者が「学ばせたい」と望んでも、養護学校が少ない。「入学選考」というハードルを越えなければかないませんでした。障害が重いほど不合格に▼入学を許可されなかった子は、就学「猶予」「免除」とされました。〈また 入学式が 近づいた/今年は 頭から ふとんをかぶって/泣くママが 何人いるのかな〉重度障害のある女の子のお母さんの言葉です▼教育権は誰も侵すことができない。どんなに重度の障害があっても発達する権利を保障されなければならない―。教職員はどんな子も学ぶ権利があると実践を積み重ねてきました▼親や教職員組合、障害者団体が手を取り合い教育権保障や社会福祉の充実を求める運動が広がる中、1970年代に革新自治体が各地で誕生しました。市民の要求がすくい上げられる政治がすすみ、国もついに79年、養護学校義務制に踏み出しました▼あれから40年。高等部の設置、医療的ケアが必要な子の受け入れなど一歩ずつ進んでいますが、なお課題も。障害児学校の過密化、放課後支援、高等部卒業後の学びの場…。障害のない子と等しく発達することをどう保障するか。障害児の学ぶ権利の保障はまだ十分とはいえません。








