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2019年7月30日(火)

きょうの潮流

 「核兵器は今後100年間で時々使われることになる」。この不吉な言葉は米国の戦略理論家ハーマン・カーン氏(1922~83年)によるもの。核兵器使用を当然視するこの主張が海外メディアで取り上げられています。米統合参謀本部の新しい核兵器運用指針で紹介されたからです▼タイトルは「核作戦」。6月11日付で米軍ウェブサイトに掲載されましたが、すぐに削除されました。しかし、すでに入手していた米国科学者連盟(FAS)が公開しました▼指針はカーン氏の言葉を紹介し、本文で「核兵器使用は、司令官が紛争でどう勝利するかを左右する状況をつくりだす」と。米誌ニューズウィーク(6月19日電子版)は核使用の効用を論じていると批判しました▼FASの専門家アフターグッド氏は「単なる抑止のための指針でなく戦闘の指針としてつくられている」(英紙ガーディアン、6月19日電子版)と告発。ニューズウィーク誌は使いやすい小型核兵器開発を進める核保有国の動きにも触れ、「カーン氏の言葉を連想させる」と伝えます▼カーン氏は保守系シンクタンク・ハドソン研究所の創設者でもあります。13年に米国で開かれた同研究所の会合で、名を冠した「ハーマン・カーン賞」を安倍晋三首相に授賞。安倍氏は、米国主導の国際枠組みで日本は「弱い環(わ)であってはならない」と受賞講演しました▼核使用を当然視する米国に従い、核兵器禁止条約に背を向ける安倍政権。被爆国のすすむべき道であるはずがありません。


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