2019年7月26日(金)
きょうの潮流
北極圏に接する世界最北の島国アイスランド。国土の約1割は氷河に覆われ、夏でも楽しめる氷河ハイキングや探検が人気の国です▼私たちの後に続く世代はこうした氷河を存分に見たり体験したりできるでしょうか。5年前、アイスランド西部にあった氷河の一つが解けて消滅しました。人間の経済活動に由来する地球温暖化が原因とみられます▼「今後200年間にあらゆる氷河が同じような道をたどっていくだろう」。消滅した氷河があった場所の近くに来月、こんな銘板が設置されることになりました。世界最北の島国で消えた氷河の記憶を伝え、温暖化抑止の行動を世界に呼び掛けることが狙いです▼イニシアチブを取ったのは氷河のドキュメンタリーを作成した米大学の研究者ら。「未来への手紙」と題した銘板には、今年5月に観測史上最高を記録した大気中の二酸化炭素濃度の数値も書きつけられています▼危機が進む一方でそれを止めようとする巨大なうねりも生まれています。毎週金曜日に授業をボイコットし温暖化対策に消極的な政府や企業に抗議する若者の活動「未来のための金曜日」は100カ国以上に広がりました▼その源流となったスウェーデンの高校生グレタ・トゥーンベリさんは各地に招かれて講演しています。「危険なのは企業や政治家が何も対策を取っていないのにそのふりをしていること。科学者の警告に耳を傾けてほしい」。地球の将来を案じて立ち上がった次世代の声に背を向けるわけにはいきません。








