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2019年7月24日(水)

きょうの潮流

 人類が初めて月に降り立ってから50年。あのときの熱狂を呼び覚まそうと、全米各地で記念イベントが催されています▼「史上最高の功績の一つだ」。トランプ大統領も月面着陸に成功したアポロ11号の元乗組員をホワイトハウスに招き、賛辞を贈りました。そして、米国の宇宙での優位をふたたび確立すると強調しています▼節目の今年は亡きアームストロング船長の半生を描いた映画が日本でも公開されました。原作の伝記には、彼は自分の家族の歴史が周りと同じように新天地をめざした移民の物語であることを理解し、大切に思っていたと記されています▼祖先はスコットランドとイングランドの境界で紛争地だった地方の氏族。アメリカ独立革命の40年前に未来を築くチャンスを求めて渡米してきた。一人ひとりが自分の夢をかなえる自由をもつ、新しい世界を見いだそうとして▼非白人の女性議員たちに「国に帰れ」と言い放ったトランプ大統領。崩壊し無能な国から来たなどと出身国をさげすみ、移民がつくり上げてきた自身の国さえ否定する暴言です。攻撃された民主党の議員はもちろん共和党内からも批判が強まっています▼半世紀前、各国が月に残したメッセージのなかに、こんな一文があります。「この努力は人類にさらなる幸福をもたらす。そこにあるのは、正義と自由のための新たな決断力であり、人びとが互いに尊敬しあうことによる隣人愛の拡散である」。先人の功績からみえてくるものは差別や分断ではありません。


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