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2019年7月13日(土)

首相 反省とおわび

ハンセン病家族訴訟 政府声明で判決に反論

 政府は12日、ハンセン病元患者の家族が国の誤った隔離政策によって受けた差別被害に対する国の責任を認めた熊本地裁判決の控訴を見送ったことを受け、安倍首相談話と政府声明を決定しました。ハンセン病家族訴訟の運動と世論に押されて、安倍首相は談話で「深く反省し、心からお詫(わ)び申し上げる」としました。

 談話はハンセン病をめぐる国の隔離政策に関し、元患者のみならず、家族の方々に対しても厳しい偏見、差別が存在したことは厳然たる事実だと認めました。一方、判決には「重大な法律上問題点がある」と不満を示し、控訴見送りが「異例の判断」であると強調。そのうえで、「できる限り早期に解決を図る」と表明しました。

 控訴を見送ったものの政府は、熊本地裁判決が認めた国の責任に関する法律上の問題点があると政府声明で指摘。(1)閣僚の責任(2)国会議員の責任―などについて判決に対し反論しています。

謝罪は当然、誠意ある対応を

志位委員長が表明

 日本共産党の志位和夫委員長は12日、「ハンセン病家族訴訟」にかかわって、政府が控訴を断念し、「反省とお詫び」を表明する談話を発表したことについて記者団に問われ、「謝罪は当然です。同時に、熊本地裁での判決内容の受け入れと、原告の訴えを拒否したことは大きな問題があります」と指摘しました。

 その上で志位氏は、「被害者を線引きすることなく、ハンセン病のすべての被害者に対する謝罪と誠意ある対応が必要です」と語りました。


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