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2019年7月8日(月)

憲法・年金 論戦で圧倒

9条改憲―米軍のため血を流す自衛隊が狙い

フジ・NHK党首討論 志位委員長が発言

首相 年金いっさい反論できず

 日本共産党の志位和夫委員長は、7日のフジテレビ「日曜報道 ザ・プライム」、NHK「参院選特集」の両番組で行われた党首討論に連続出演し、参院選の大争点になっている憲法問題、年金問題などで安倍晋三首相らと論戦を交わしました。志位氏の追及で、安倍首相が狙う9条改憲の真の狙いが、米軍のために血を流す自衛隊にすることであることが鮮明になりました。


 トランプ米大統領が日米安保条約を「不公平な条約」と語ったことについて「ザ・プライム」で問われ、志位氏は、安倍首相が著書で、米国が攻撃されたときに自衛隊が「血を流し」てたたかうことができないことを問題視し、完全な双務性の実現を目指す考えを示していたことを指摘。「米軍のために『血を流し』てたたかう自衛隊にしていくことが、憲法を変える本当の目的だということがトランプさんの発言で浮き彫りになったのではないか」とただしました。

 安倍首相は「憲法の制約があって完全な双務性にすることはできない、いわば集団的自衛権のフルな行使はできませんというのがいまの私の考え方」と発言。志位氏は「いまの発言はいわば語るに落ちたと思います」とし、「憲法の制約」のために「完全な双務性」「集団的自衛権のフルな行使」ができないと主張することは、それらを可能にすることが9条改憲の目的であることを認めたものだと批判しました。

 「年金問題に打ち出の小づちはない」とくりかえす安倍首相に対して、志位氏が、年金を実質的に7兆円削減する「マクロ経済スライド」の廃止のために、高額所得者優遇の保険料見直し、200兆円の年金積立金の活用、賃上げと非正規労働者の正社員化などの具体策を提起したのに対し、安倍首相は全く反論できませんでした。

 志位氏は、7兆円の削減によって、基礎年金(国民年金)の満額は月6万5千円から4万5千円へ、現在価格で3割も減らされ、一番被害を受けるのは現在30代、40代の現役世代だと指摘。「私たちは『マクロ経済スライド』を廃止し『減らない年金』にするための財源を具体的に示しています。まずこの改革に取り組むべきです」と求めました。

 安倍首相は、「ザ・プライム」では「マクロ経済スライド」という言葉に触れることすらできず、「(年金制度は)安定的なものになっている」などと繰り返すだけ。立憲民主党の枝野幸男代表、社民党の吉川元幹事長は、非正規雇用の拡大が低年金の温床になっていると語りました。

 志位氏は「枝野さん、吉川さんの提起した点はとても大事だ」とし、年金問題解決の根本策として賃上げと非正規労働者の正社員化が重要だとし、「労働者派遣法改悪のように非正規に置き換えるやり方はあらためないといけない」と主張しました。安倍首相は、労働法制の改悪に一切言及せず、無反省な態度を示しました。

 志位氏は、消費税率10%への引き上げについて、2014年4月の8%への引き上げ前と比べて家計消費が年25万円、実質賃金も10万円減っていると指摘。「8%の深い傷痕が続いているところに増税をかぶせるのは本当に無謀で、やめるべきだ」と力説しました。


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