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2019年6月25日(火)

きょうの潮流

 米軍のカメラに写った震える少女。ぼろ切れのように道端に座り込みながら、おびえた表情で身をぶるぶると震わす。その映像は、住民を巻き込んだ沖縄戦の痛ましさを伝える記録としてくり返し放映されてきました▼「これは私」。今年の「慰霊の日」を前に名乗り出た女性がいました。那覇市の浦崎(旧姓・賀数)末子さん、81歳。現在の糸満市にいたという浦崎さんは地元紙の琉球新報に「初めて見るアメリカーの青い目が怖かった」と証言しています▼撮影されたのは1945年の6月下旬頃。当時7歳。砲弾飛び交う中を逃げ惑い、姉と避難先を探している途中だったといいます。74年前の戦争で家族4人を失った浦崎さん。「戦争は本当に恐ろしい。二度と起こしてはいけない」と語っています▼よみがえる、いまわしい記憶。少年兵、ひめゆり学徒隊、集団自決…。本土の捨て石とされ、住民が次々と犠牲になった沖縄戦は国内外の20万人をこえる人びとが命を落としました▼先人から受け継いだ平和を愛するチムグクル(肝心)。それを伝えていく決意を追悼の日に示したデニー知事は、改めて辺野古新基地の断念を政府に求めました。一方で、ポーズだけの安倍首相のあいさつにはやじや怒号が▼11歳の少女が詠んだ詩。「二度と悲しい涙を流さないために/この島がこの国がこの世界が幸せであるように」。いまだ平和が脅かされる沖縄の現状を変え、笑い合える本当の幸せを―。それは今に生きる私たちの使命だというように。


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