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2019年6月24日(月)

きょうの潮流

 「核実験による健康被害を補償する国の責任を認めたものだ」。フランスの反核平和団体が歓迎の声を上げています。仏領ポリネシアで行った核実験についてフランス国会が最近、ポリネシア住民の意思に反して強制したものだったと認めたからです▼1966年から30年間200回近く核実験が繰り返された仏領ポリネシア。島々には「死の灰」が降り注ぎ、健康、環境、経済、社会は根こそぎ破壊されました。今も白血病などに苦しむ住民が無数にいます▼仏メディアによると、国会が可決した法律は、核実験が行われた場所の状況をフランスが監視することや、経済的な再建を支援することにも触れています。粘り強くたたかってきたポリネシアの人々が切望してきたことが盛り込まれました▼フランスでは不十分ながらも核実験被害者への支援がすすめられてきました。今回の法律でそれがさらに強まることに期待が高まっています。国会でも「確実に補償の実践を」と声が上がりました▼人類史上初めて核兵器を違法化した核兵器禁止条約が国連で採択されて間もなく2年。条約は核兵器の使用や実験による被害者への援助と環境回復をうたっています。核兵器禁止条約が生み出した新たな流れは核保有国の国会の中にも現れています▼核兵器と人類は決して共存できない―。被爆者や核実験被害者の声から出発し、人類の英知を結集してできた禁止条約。惨劇を二度と繰り返さないために早期発効へ日本でも世界でも運動を強めるときです。


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