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2019年6月22日(土)

JCP With You 東京でトーク集会

個人の尊厳とジェンダー平等へ

党も変わり一緒に社会を変える

 「語られてこなかった話を今語ろう―個人の尊厳とジェンダー平等のために」―。JCP With Youのトークイベントが20日夜、東京都北区にある日本共産党の池内さおり前衆院議員・東京12区候補事務所で開かれました。参加者は、すべての個人の尊厳とジェンダー平等をどう実現するか考え合いました。

 NPOヒューマニティの後藤稚菜さん、思春期アドバイザーのあかたちかこさん、トランスジェンダーの高月真名日本共産党新宿区議とともに、志位和夫委員長がトークに出演。司会は池内さんです。


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(写真)JCP With Youのイベントで語りあうゲストスピーカーの各氏。左から志位、高月、あかた、後藤、池内の各氏=20日、東京都北区の池内さおり事務所

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(写真)志位和夫委員長とゲストスピーカーが語りあったJCP With Youのイベント=20日、東京都北区の池内さおり事務所

 日本は男女平等度を示すジェンダーギャップ指数が149カ国中110位です。イベントではトークとともに、参加者が差別への異議を訴え、答える企画も。

 統一地方選で党候補事務所を手伝ったという女性は「会議は男性だけが参加し、女性は(炊き出しの)切り盛りをするのはおかしいのでは」と疑問を投げかけるのと同時に、「でも、後日メールでそのことを伝えたら、共産党の人たちは勉強会を開いてくれた。聞く耳を持ってくれる人がいてよかった」と語りました。

 志位さんは「議論して変えなければなりません。無意識に内面化しているところもあるので、どんどんと指摘してください」と応じました。

 自治体の男女共同参画推進協議会に参加する男性は「自治体が募集する観光大使の名前は“○○姫”。性別は問わないのにコンパニオンとして女性を求めているのが明らかで、選考するのは男性」と批判。あかたさんは「男性がたくさん応募しましょ」と笑いを誘い、後藤さんは「作り手側に女性がいるかが問題です」と指摘しました。

 性暴力加害者への無罪判決に抗議したフラワーデモに参加したという女性は「判決はほんとうに許せなかった。当事者としてデモの中では自分のことを安心して語れた。共産党が政策に『性的同意』を入れてくれたのがうれしいです」と話しました。

 池内さんは「すべての人にとって生きやすい、より安全でより公正な空間をみんなでつくっていくためにも、特に男性にはこの問題にかかわってもらえたら」と呼びかけました。

 志位さんは「みなさんの思いに胸が熱くなると同時に、自分自身を振り返って反省することもあります」と述べ、「共産党は日本社会を変えるためジェンダー平等を大きなテーマにすると約束します。耳を傾け成長していきたい」と話しました。


性暴力認めてはいけない

NPOヒューマニティ 後藤稚菜さん

 DV(主に夫婦間の暴力)はジェンダー差別の視点なしでは語れません。DVやストーキングなど、ハラスメントの当事者支援をしています。根本的解決を目指しているので、被害者が安心し、加害者が無害になるまで支援します。被害者をかくまうだけでは解決しないので、加害者と会ってストーキングをやめるよう話すこともあります。

 カップルや夫婦の支配的関係から一方が逃れようとすることで他方のストーキングが発生し、殺人に至ることもあります。被害者はたいてい女性です。DVは男尊女卑の考え方の影響を強く受けています。

 性暴力の加害者に対し無罪判決が出たのは明らかに不当だと強く思います。性暴力の問題がここまで軽んじられている。性暴力に反対する声をあげないといけないと、いてもたってもいられない気持ちでフラワーデモを行いました。

 「セクハラ」というと軽く聞こえます。ことがらの大小を問わず、性暴力を認めてはいけないとの思いで取り組んでいます。

男らしさで男もしんどい

思春期アドバイザー あかたちかこさん

 事務所の近くに共産党のジェンダー平等のポスターが張られたのを見て、「わー、すごい。やるじゃん。誰が張ったんかな」と思ってました。

 差別の問題は女性のためだけじゃなくて男性のためやぞって思ってます。男性を責めたいんやなくて、いっしょに楽になりたいんやと。

 地元の大阪で人気のお笑い芸人も、男の芸人が体を張った芸をやったら笑ってもらえて、女の芸人がやると引かれる。「女はなんでこんな不自由なん」って思ってたけど、みんな似たようなことを感じてる。女やから、男やからってやめへんか。そうしたらめっちゃ自由になれる。

 実は男も加害者をやらされてないかって思います。「人に負けるな、タフであれ」と刷り込まれて暴力への親和性ができる。男も女も首に何か巻き付いてて苦しいんかなと思います。

 男の人に「男らしさがしんどい」と言ってほしいけど、ハードルが高いみたいです。

誰でも加害者、被害者に

日本共産党新宿区議 高月真名さん

 男性として生まれましたが、小学生の頃から男性として扱われるのは違うんじゃないかと感じていました。自分らしく生きるために2011年に性別適合手術を受け、戸籍上の性別も変えました。

 就職氷河期のうえトランスジェンダーで就職が難しく、非正規雇用の介護の仕事に就きました。髪が長く中性的な見た目で解雇されることもありました。共産党員に相談すると偏見なく聞いてくれ、「こんなところがあったんだ」と10年前に入党しました。

 80代の男性党員から「40年前にゲイと思われる党員がいたが、何となく気持ち悪いという気持ちが伝わったのか、党から離れてしまった。あの時の自分は偏見の塊だった」というメールをもらいました。

 人は意図して差別するのではなく、社会構造に内包しているものが出るのだと思います。誰でも差別の加害者、被害者になる。

 党がこの問題に全力を挙げるとなったので、頑張りたいです。

問題に全力で、取り組む

日本共産党委員長 志位和夫さん

 市民の新しい運動が広がる中で「個人の尊厳とジェンダー平等」を党の政策として据えたことで、みんながこの問題について自由に話し始めました。

 日本がこの点で遅れているのには二つの理由があります。ひとつは大企業・財界が建前では男女平等を言いながら、もうけだけを優先していること。もうひとつは日本の侵略戦争や当時の家父長制を美化し、選択的夫婦別姓にも反対する靖国派。これに属する人が首相を務めていることです。男女平等を妨害する勢力を退場させなくてはなりません。

 先日、池袋で初めてジェンダー平等とLGBT(性的少数者)をテーマに演説しました。若いみなさんも聞いてくれた。性暴力やセクハラに対して声を上げた人を孤立させてはならないという市民の運動など大きな変化が社会に起こっています。女性が無権利だった時代から男女の選挙権を掲げ、52%が女性議員の党として、この問題に全力で取り組みます。


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