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2019年6月22日(土)

きょうの潮流

 あなたの耳には国民の苦しみの声がまったく届いていない。10年前の参議院で、野党から問責決議を突き付けられた首相がいました。麻生太郎氏です▼現憲法下で2例目となる首相問責の可決。その1週間後に衆議院が解散され、自公は総選挙で大敗して下野しました。そして今国会でも。財務相や金融相を兼ねる麻生氏に問責、不信任の両案が衆参に同日提出。歴史に汚点を残しています▼老後資金が2000万円足らないとした金融庁の報告書を受け取らない前代未聞の暴挙。くわえて資質に対する根本的な疑念や傲慢(ごうまん)極まる数々の言動への批判は絶えることがなく、その職にあるべき人物ではないと▼「下々(しもじも)のみなさん」。政治家としてあきれるほどの暴言は国会議員に初出馬したときからか。首相になる前に出した著書には過労死を例にあげ「日本人は働きすぎだ、日本人の働き方は間違っているという人がいる。それはあまりに自虐的で、自らを卑下しすぎている」(『とてつもない日本』)▼戦後の民主・自由・平等を掲げてきた教育よりも、しつけ教育が大事。格差の是非は人びとの価値観に依存する。高齢者はもっとカネを使い、働いて―。ある対談では少子化は男が女を口説けないからという論まで平気で述べています▼九州の炭鉱王の家に生まれ、およそ生活に苦労したこともなく、自分の年金にも関心がない。財閥を代表し、古くゆがんだ価値観そのままに。そんな人物が中枢に居座っていることが、今の政権を象徴しています。


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