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2019年6月19日(水)

きょうの潮流

 ギリシャ神話の最高神ゼウスの盾は魔力をもち、あらゆる邪悪を払うとされています。娘の女神アテナに与えたともいわれる盾の名はアイギス。英語読みではイージスです▼米軍が開発した防空艦載システムはそこから命名されました。イージス・アショアはその陸上版。陸上自衛隊の演習場である秋田市の新屋と山口・萩市のむつみを防衛省は「適地」としましたが、根拠とした調査報告がずさんで地元住民の怒りが広がっています▼レーダーを遮るという山の高さが違う。津波の影響はないとしていたのが、実際には対策が必要と認める。そのうえ、不安を募らせる住民への説明会では防衛省の職員が居眠りも。十分な調査や対策を講じ、丁寧な説明に努めるとしながら、あまりにもでたらめです▼「日本を守るため」。イージス・アショアの配備について、安倍首相や歴代の防衛相はくり返してきました。しかしそれは、米国を防衛するためと指摘する専門家や米国関係者も多い▼昨日の本紙1面に載った地図。北朝鮮のミサイル発射基地があるとみられる場所と秋田、萩を結んだ直線は米軍基地があるハワイとグアムに伸びていました。他の候補地との矛盾をいわれながら防衛省がこだわる二つの「適地」は米国のためだったのか▼もともと数千億円もの税金を投入する防衛システムでも攻撃を防げる保障は何もありません。際限なくエスカレートしていく軍事態勢の強化。矛と盾では平和や国民の安全は実現できないことを物語っています。


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