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2019年6月18日(火)

きょうの潮流

 子どもが亡くなったことを争っているのが、何よりつらい。学校はいったい何を守りたいのか…▼今月初め、全国学校事故・事件を語る会が神戸市内で17回目の大集会を開催。「事後対応」のあり方を考え合いました。いじめで子どもを失った母親は、学校や教育委員会の対応にがくぜんとし、やむなく裁判に。その思いや願いを語ります。幾度となく声を詰まらせながら▼今回のキーワードは学校や教員との「対話」。そもそも学校や教委は「極悪」ではないと、同会代表世話人の内海千春さんは強調します。事故や事件が起きた時、どんな対応が最適かを真摯(しんし)に考えないまま、学校だけに全責任を負わせる。そのシステムにこそ問題の根っこはあるのだと▼柔道部事故で息子を失った倉田久子さんは、学校の対応を振り返りました。卒業まで息子を在校生と同じ扱いにして、アルバムに載せ、卒業式に久子さんを招いて卒業証書を授与。教育の場として当たり前のこと。「これってそんなに難しいことなのでしょうか」との問いかけは重い▼信じがたい対応はニュースになり、「学校はとんでもないところ」との印象がふりまかれます。「行ってきます」と家を出たまま、「ただいま」を永遠に聞くことができない遺族の苦しみと、亡くなった子の無念。せめて再発防止につなげたい▼「学校は子どもを大切に思ってほしい」という遺族らの切なる願い。学校とは何かの原点に立ち戻るときは今です。「希望はある」。倉田さんのこの言葉を胸に刻んで。


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