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2019年6月13日(木)

きょうの潮流

 その人の話を聞くと、いつも心がじんわり温かくなります。放課後活動の中で障害のある子が育つ姿を語ります。東京都小平市の「ゆうやけ子どもクラブ」職員、村岡真治さんです▼特別支援学校小学部1年生で、4月に「ゆうやけ」に入ってきたミドリちゃん。他の子と話していると「あー、よー(うるさいよ)」と村岡さんの胸をポンとたたくそう▼大好きな村岡さんに、自分と遊んでと伝えたいのでしょう。「周りの状況を取り込んで、自分のことを押し出す。“人格の力”がついてきました」と目を細めます▼「ゆうやけ」では、障害のある小学生から高校生20人を15人程度の職員が支援します。村岡さんたちは、他の人からは“問題行動”と映る行動に、その子の「ねがい」をくみ取ります。じっくり時間をかけて寄り添うなかで子どもたちは成長し、“問題行動”も減っていきます▼そんな活動が今、脅かされています。昨年4月からの報酬改定で報酬単価を引き下げたうえ、障害の“重さ”を「指標」で判定し、障害の重い子を半数以上受け入れるかどうかで報酬に差を設けました。放課後活動は、子どもたちの「できること」を積み上げていきます。「できない」で評価する指標判定は、子どもたちの尊厳を踏みにじることにも▼「ゆうやけ」に通い、「発声が大きくなり、夜もぐっすり眠るようになった」。ミドリちゃんのお母さんからの報告に「幸せな気持ちになった」と村岡さん。豊かな放課後活動を保障する報酬が欠かせません。


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