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2019年6月2日(日)

きょうの潮流

 「夫夫」と書いて「ふうふ」と読む。そのすてきなネーミングをこの本で知りました。『僕が夫に出会うまで』(文芸春秋)が5月末に出版されました。男性同性愛者の七崎良輔さん(31)が「夫夫」になるまでを赤裸々につづっています▼都内でLGBT(性的少数者)の権利拡大に奔走する姿を以前、本欄で紹介しました。七崎さんは子どものときから「仕草が女のよう」といじめられ、教師にも親にも理解されない日々を送りました▼好きになるのは男性ばかり。二十歳で自身が同性愛者だと悟る日がきます。その心境を「絶望の底に落ちた」と。「人の道から外れ」、結婚もできないと思い込み、「未来がまったく見えなかった」から▼それでも女友達に打ち明けたとき、「つらかったよね」の一言に救われます。理解してもらえた喜び、いまの自分でいいとの思い。前に歩む勇気をもらいました▼社会には、男と女の二つの性しかなく、異性愛が当たり前との誤った認識が根強い。しかし、人には体の性と心の性、性的指向が絡み合い、さまざまな性の形があります。その数は日本で13人に1人とも▼世界では法律で同性愛の差別を禁じ、婚姻を認める国が増えています。一方、日本にはいまだありません。主要7カ国では日本だけ。国連からも人権侵害と指摘されるありさまです。「LGBT/SOGI(性的指向、性自認)に関する差別のない社会をつくります」と共産党の政策はうたいます。多様な生き方が尊重される社会に向かってともに歩みたい。


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