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2019年6月1日(土)

きょうの潮流

 1980年代の終わり、栄養ドリンクのCM「24時間戦えますか」が流行語になった年がありました。ビジネスマンに扮(ふん)して歌っていたのは俳優の時任三郎さん。企業戦士が奨励されていた時代の代表的なCMです▼それから30年。「そんな時代もあったね」と笑い飛ばせる人がどれだけいるでしょうか。非正規雇用の拡大、広がる格差。働く環境は以前にもまして悪化。本来なら働き盛りの30代から40代は、不安定雇用で結婚もままならないのが実情です。政府は今になって就職氷河期世代の就業支援を言い出しています▼正社員の長時間労働も深刻です。「働き方改革」とは名ばかり。過労死する人も後を絶ちません。そんな中で評判を呼んでいるのが放送中のドラマ「わたし、定時で帰ります。」▼吉高由里子さん演じるヒロインは、以前勤めていた大手旅行代理店で月100時間以上残業をした末、階段から転落。「死んで花実が咲くものか」と以来、残業はNG。とはいえ仕事と真摯(しんし)に向き合い、後輩の面倒もよくみる頼りがいのあるキャラクターです▼印象的だったのは、コミュニケーション力抜群の女性派遣社員が取引先でセクハラ被害に遭う話。仕事を切られないように顔で笑って心で泣く痛々しさが胸を刺しました。今週放送の回は企業戦士の典型だった父とヒロインの親子げんか。家庭を大切にしてほしかった、との訴えが痛切です▼「くらしに希望を」と、共産党は「8時間働けばふつうにくらせる社会」を提唱。みんなの願いです。


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