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2019年5月31日(金)

勤労統計の不正続く

問われる厚労省 修正要求に背

 不正調査が問題となっている毎月勤労統計で、再び信頼を揺るがす事態が起きています。厚生労働省が24日に予定していた、2019年3月と18年度の確報値の公表を突然、延期しました。

 勤労統計は、労働者の賃金や労働時間を把握するための調査。国が特に重要とする基幹統計の一つです。政府の景気判断を示す月例経済報告や雇用保険の失業給付額の基準などに用いられています。

 厚労省によると、統計に使う「常用労働者数」の数値について、昨年7月分の集計に関して誤ったデータが使われていました。そのため、公表されている昨年7月分以降の数値について修正しなければならない可能性もあるとしています。

 同省は1週間以内に再集計して公表するとしていましたが、まだ公表されていません。

 同省の統計調査では不正調査や不正処理が相次いでいます。

 今月14日には、最低賃金の改定審議に使われる賃金改定状況調査で、抽出データを日本全体の産業構成などに合わせる「復元処理」を、一部を除いて行っていなかったことが判明。最大で1・7ポイントも過大な数値となっていたにもかかわらず、同省は「大きな変動はない」(賃金課長)と開き直りました。

 相次ぐ不正調査・処理で問われているのが統計データに対する安倍内閣の姿勢です。

 野党から賃金データの集計やり直しを求められても「データ欠損」を理由に拒み続けています。データを復元できる方法があると追及されても、あれこれの理由を持ち出してかたくなに拒んでいます。

 データ修正によって実質賃金が下がっていたことになれば、アベノミクスの破たんであり、消費税増税の根拠も失われるからだと野党側は批判しています。

 21日の参院厚生労働委員会で日本共産党の倉林明子議員は、データ復元に背を向ける政府の姿勢をただし、「統計データは国民の財産だ。正確な情報提供と公開は行政に課せられた責務だという立場で真摯(しんし)に取り組むべきだ」と強調しました。


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