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2019年5月27日(月)

きょうの潮流

 座布団を投げたら、処罰される―。厳戒の国技館で異例の注意書きが配られました。トランプ米大統領と安倍首相がそろって千秋楽を観戦したためです▼取組を中断して物々しく入場した両夫妻。ざわつきが収まらないなか、正面最前列の升席を椅子仕様にして見物しました。特大の“トランプ杯”までつくって一緒に土俵に上がる演出ぶりは、スポーツの政治利用ではないか▼それにしても、いったい何のために招いたのだろう。ゴルフに大相撲、夜は高級炉端焼き店で舌鼓。国賓なので滞在費用はすべて日本側が負担します。そのうえ過去最高レベルの警備費も▼親密さをアピールしながら、基地問題の解決や核兵器の廃絶が進むわけでもない。それどころか欠陥だらけの米国製兵器を買わされ、軍事でも貿易でもいっそうの譲歩を迫られるだけでしょう▼来日前、安倍首相は月刊誌に「日米の揺るぎない絆を内外に示す機会にしたい」と話していました。絆とは日米軍事同盟の強固さを意味しています。世界にとっても日本にとっても、いつでも悪札(あくふだ)に代わりうる人物を厚遇し、親しげな雰囲気ばかりをはしゃいで伝えるメディアの姿勢も問われます▼米国第一主義で世界から疎んじられるトランプ政権。こびる姿が笑われても、べったりとしがみつく安倍政権。いくら仲の良さを強調しても、国民に益をもたらすことはできません。対等にものがいえ、互いの国や世界平和に資する。そういう関係を築くことこそ、本来のあり方ではないのか。


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