2019年5月24日(金)
トランプ米大統領あす来日
「いずも」型乗艦 F35爆買い誓約の場に
異常な対米追従浮き彫り
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トランプ米大統領が25日、新天皇即位後初の国賓として来日します。日本政府は史上空前の「もてなし」で「強固な日米同盟」を国内外にアピールしようと躍起になっていますが、逆に異常な対米追従を印象付けることになりそうです。
「緊密」アピール
トランプ氏は25日午後に専用機で東京の羽田空港に到着。28日まで3泊4日と異例の長期滞在です。
26日は終日、安倍晋三首相がトランプ氏を歓待します。午前中は千葉県茂原市のゴルフ場でプレー。夕方には東京・両国国技館で大相撲夏場所の千秋楽を観戦し、首相夫妻による非公式夕食会が六本木で開かれます。
外務省幹部は「米大統領が日本に3泊もする。これでもか、というくらい緊密な日米の姿を見せつけることが、中国、北朝鮮、韓国、ロシアとの関係を考える上で重要だ」と語ります。
日米首脳会談は27日午前から東京・元赤坂の迎賓館で行い、両首脳は午後に記者会見に臨みます。会談では朝鮮半島の非核化や日本人拉致、貿易問題などが焦点となるとみられますが、共同声明の発表は見送られる見通しです。トランプ氏は同日、皇居で天皇と会見し、宮中晩さん会も開かれます。
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同盟「強化」狙う
「強固な同盟」アピールの最大の“見せ場”となるのが28日。神奈川県横須賀市の海上自衛隊基地に停泊中のヘリ搭載型護衛艦「かが」に両首脳がそろって乗艦します。
政府は、全長248メートルに達する「かが」を含む「いずも」型護衛艦を改修し、米国製のF35Bステルス戦闘機の運用が可能な「攻撃型空母」にすることを狙っています。昨年末にF35を105機追加購入し、うち42機をF35Bとすると決定したこともあり、今回の乗艦は、トランプ氏に米国製兵器の爆買いを誓約する場ともなります。
日本政府は2017年11月にトランプ氏が来日した際も、「いずも」への乗艦を計画していましたが、日程の関係で見送られました。今回は横須賀を母港とする「いずも」がインド洋で航海中のため、広島県呉市を母港とする「かが」を動員。21日夕、海自横須賀地方総監部前に接岸しました。
23日午後には、米国人とみられる数十人の団体が「かが」の甲板を視察していました。海自基地周辺の公園では複数の警官が巡回し、湾内の水面に異常がないか点検を実施。潜水艦が湾内を航行し、警戒に当たるなど、ものものしい状況でした。