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2019年5月18日(土)

賃金減 日本だけ OECD調査

過去21年間で8%マイナス

他の主要国は大幅増

景気回復へ 賃上げ・安定雇用こそ

図

 日本の賃金を時間当たりでみると過去21年間で8%減っており、主要国の中で唯一のマイナスであることが経済協力開発機構(OECD)の調査で分かりました。日本の異常さが改めて浮き彫りになりました。

 OECDは時間当たりの賃金動向を各国の政府統計などをもとに調べています。最新データである2018年の時間当たり賃金(時給)を1997年と比較すると、韓国は167%、イギリスは93%、アメリカは82%、フランスは69%、ドイツは59%も増加しています。一方、日本は8%減少していました(グラフ)。時間当たり賃金には残業代も含まれています。

 安倍晋三首相は「雇用・所得環境の改善が続いている」「5年連続で今世紀最高水準の賃上げを実現」などと宣伝します。ところが逆に賃金が下落していたのです。

 大企業はアベノミクスの恩恵を受け、史上最高益を稼ぎ出してきました。一方、労働者は「国際競争力強化」を口実に低賃金を強いられ、労働市場では、非正規化が進んできたのが実態です。

 いま求められているのは、家計を応援し格差と貧困を正し、国民が暮らしの明日に希望のもてる政治に転換することです。暮らしと経済を立て直すには、賃上げと安定した雇用の拡大が必要です。大企業がため込んでいる400兆円を超える内部留保のほんの一部を使うだけで、賃上げや正社員化を実現し、新たな雇用をつくることができます。

 中小企業への支援を抜本的に強めつつ、最低賃金を直ちに全国一律1000円に引き上げ1500円をめざす必要があります。国民の所得が増え中小企業を含む企業経営全体が改善していけば、税収も社会保険料収入も増えます。人間らしく働けるルールの確立で、健全な経済成長への好循環をつくりだすことを日本共産党は提言しています。


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