2019年5月17日(金)
米軍弾薬表示外し走行
国内運送業者 ルート変更、放置も
井上議員が追及
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日本国内の米軍基地間でミサイルや弾薬を輸送する運送業者が法令に定められた見張りの配置や火薬類表示などを実施していない事例があることが16日、参院外交防衛委員会で明らかになりました。日本共産党の井上哲士議員が独自調査をもとに取り上げ「一歩間違えば大変危険な事故になりかねない」と、政府に厳格に法令を守らせる措置を求めました。
火薬類取締法や火薬類運搬に関する内閣府令では、火薬類輸送の際は出発地の警察(公安委員会)にルートなど運行計画書を提出し運搬証明書の発行を受けなければならず、ルート変更も届け出が必要です。長距離の運搬では複数で乗務し見張り人をつけ、火薬類の輸送を表示しなければなりません。1980年8月改定の日米合同委員会合意では、米軍の委託を受けた業者は、日本国内の法令に基づくすべての手続きを行うことが必要とされています。
井上氏は、弾薬輸送業者の関西地方の下請け会社で弾薬輸送の責任者だった労働者から告発を受けて質問。告発には、2017年12月に長崎県佐世保市の米軍前畑弾薬庫から米海兵隊キャンプ富士(静岡県御殿場市)に弾薬・ミサイルなどを運搬した際、大阪府内の自社倉庫に火薬類積載の表示板を外したまま駐車し深夜から翌日午後まで無人で放置したり、ルートを変更し、表示板を外し名古屋市内の高速道路を走行したりした四つの事例がありました。
井上氏は「米軍の火薬類の輸送は、危険性の高いものもある。より厳格に法令を守らせるための措置が必要だ」と追及しました。
警察庁の小田部耕治審議官は「法令が順守されていない事案があれば適切に対処していく」と答弁しました。