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2019年5月16日(木)

国会の視点

景気「悪化」判断

予算委開催から逃げるな

 3月の景気動向指数に基づく内閣府の6年2カ月ぶりの景気「悪化」判断は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の破綻を事実で示すものとなりました。「景気回復の暖かい風が全国津々浦々に届き始めている」との安倍晋三首相の主張が虚構にすぎないことを政府自身が認めたのです。

 消費税率の8%への引き上げ(2014年)以来の実質家計消費の低迷とともに、厚生労働省による毎月勤労統計での賃金偽装の発覚で「所得環境は着実に改善」したとの安倍首相の言い分が崩壊したのに加え、今回の景気悪化判断によって、10月の消費税増税の“根拠”は総崩れ。この非常事態のもとでの増税強行が、国民生活と日本経済を自滅に追い込むことは必至です。

 安倍首相の最側近でさえ増税への不安や増税延期の可能性を口にする事態のもと、増税の影響や是非を議論し、しかるべき対応を政府にただすのは国会の重大かつ緊急な責務です。ところが、国政の重要問題を審議する衆参両院の予算委員会の開催という野党の道理ある要求に、政府・与党はまったく応じていません。

重要課題が山積

 景気や消費税増税問題のほか、内政、外交の重要課題は山積しています。賃金偽装発覚後も政府が明らかにしない共通事業所の実質賃金、「森友」「加計」問題や「下関北九州道路」調査の国直轄化などをめぐる数々の疑惑、「2島先行返還」にかじを切って行き詰まる日ロ領土交渉問題、日米首脳会談の共同声明の日本語訳に「物品貿易協定」(TAG)なる原文にない用語をねつ造した日米自由貿易協定(FTA)交渉問題などなど、枚挙にいとまがありません。

 このような事態のもとで与党が首相出席の集中審議を拒否し続けるのは、追及を恐れる安倍首相が逃げ回っているからだとみられて当然です。

50日間開かれず

 安倍首相ら主要閣僚が出席する予算委が開かれたのは、今年度予算を採決した3月27日の参院予算委が最後です。以来約50日間、衆参両院の予算委が一切開かれないのは、異常事態だといわなければなりません。

 与党はもちろん、政権全体を指導する安倍首相本人が、自身の出席と十分な審議の場を国会に保障する責務があります。審議から逃げようとしても、国民の厳しい目から逃げ回ることはできません。(国会取材団)


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