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2019年5月16日(木)

きょうの潮流

 待ち望んでいた平和がよみがえる喜び、以前の生活に戻れる明るさに島々は包まれていました。しかしそれはソ連軍の侵略によって無残に打ち砕かれました▼終戦後に響きわたった銃声。略奪、暴行、強制労働、命まで奪われた島民も。のちに彼らが口にしたソ連軍圧政下の体験談は北方の島を離れても決して忘れられない苦難でした。あの戦争が招いた悲しみは、今もつづいています▼「戦争しないとどうしようもなくないですか」。日本維新の会の丸山穂高衆院議員が、国後島のビザなし交流の席で戦争をけしかける発言を重ねました。北方問題特別委員の立場で同行し、訪問団長の元島民に暴論をふっかけたのです▼両国の信頼関係をつくる場。しかも身をもって戦争はすべきではないとくり返す団長に、しつように絡みつく異常極まる振る舞い。心なき謝罪や撤回はしたものの、勧められた酒のせいにし、議員を辞めるつもりもないという救いようのなさです▼「国益」が口ぐせで改憲に前向き、核武装についても「検討すべき」と答えるような議員。きびしい批判を浴びて除名にしたとはいえ、安倍政権と一体で改憲に突き進み、こんな人物を国会に送り込んだ維新の会の責任は重い▼北の島民だけではありません。どれだけの人びとが、戦争で悲惨を味わったか。だからこそ、二度とくり返さないと内外に誓った憲法のもとで日本は戦後の平和を歩みました。それを脅かす勢力は、国民の力で追い詰める。永久(とわ)に戦争を放棄した国として。


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