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2019年5月11日(土)

米、追加関税引き上げ

中国は協議での解決呼びかけ

 【ワシントン=遠藤誠二】トランプ米政権は10日午前0時1分(日本時間10日午後1時1分)、中国に対する追加関税引き上げを発動しました。中国からの輸入品約5700品目、2000億ドル(約22兆円)相当に課している追加関税を10%から25%に引き上げました。米中は9日に閣僚級協議を再開しましたが、不調に終われば両国の貿易紛争がさらに激化し、世界経済にも悪影響を及ぼしかねません。

 追加関税引き上げの対象は、トランプ政権が昨年9月に発動した「第3弾」。中国が知的財産権を侵害しているとして10%の制裁関税を課しました。12月の米中首脳会談を受けて25%への引き上げが停止されていました。両国間で協議が続いていますが、妥結に至らず、今回引き上げが発動されました。家具や家電、衣類など生活用品を多く含み、米国内で価格上昇を招く恐れがあります。

 劉鶴副首相ら中国代表団は9日、ワシントンを訪れ、ライトハイザー米通商代表(USTR)、ムニューシン財務長官と2日間の日程で協議に入りました。トランプ大統領は9日、習近平国家主席から「すばらしい書簡」を受け取ったと述べ、「彼とは電話で話すだろう」「われわれは何の策が講じられるかみてみよう」と述べ、協議の進展に期待を寄せました。

 トランプ氏は一方で、さらに3250億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課す制裁に向けて手続きを始めたことを表明しました。

 【北京=釘丸晶】トランプ米政権が中国からの輸入品、2000億ドル分への追加関税を25%に引き上げたのを受け、中国商務省は10日、「深い遺憾を表明する」との談話を発表しました。

 談話は「必要な報復措置を取らざるを得ない」としつつも具体的措置については触れず、米中の閣僚級貿易協議が「進行中だ」と指摘。「米国が中国に歩み寄り、共に努力し、協力と協議という方法を通じて問題を解決することを望む」と呼びかけました。


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