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2019年4月29日(月)

板門店宣言「一つひとつ履行」 文大統領メッセージ

非核化へ対話努力続く

署名1年韓国が式典

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、南北の軍事的緊張緩和や朝鮮半島の完全な非核化をうたった「板門店宣言」に署名してから1年がたった27日、韓国政府は首脳会談の会場となった南北軍事境界線のある板門店で記念式典を開きました。文氏はビデオメッセージで、「板門店宣言は一つひとつ履行されている」と強調しました。(栗原千鶴)


 文氏は、南北がともに非武装地帯の監視所を撤収したことや、南北共同連絡事務所の設置、鉄道や道路の連結準備などをあげ、「宣言が年をへるごとに、逆行することのない平和につながる」と述べました。

 また、文氏は「新たな道だからこそ、時にはゆっくりとくる人たちを待たねばならない」とも語りました。この間、2度行われた米朝首脳会談で、非核化に関して具体的な合意がなされていないことを念頭に置いた発言といえます。

 米朝首脳会談は、昨年6月にシンガポールで初めて行われました。両首脳は「朝鮮半島の完全な非核化への決意」(金氏)、「北朝鮮の安全の保証」(トランプ米大統領)を約束。今年2月にハノイで開いた2度目の会談では合意に至りませんでしたが、両首脳は3度目の会談を示唆しています。

 金氏は、今月12日に行われた最高人民会議の施政演説で、米朝関係について「互いの一方的な要求条件を取り下げ、各自の利害に合致した建設的な解決方法を見いださなければならない」と、合意に向け意欲を見せました。

 さらにロシアのプーチン大統領も25日に行われたロ朝首脳会談で、核問題をめぐる6カ国協議(北朝鮮を含む中ロ米韓日)再開の必要性に言及しました。

 同日にロシアのパトルシェフ連邦安保会議書記は韓国を訪問し、ロシア側の考えを説明。文氏ら高官と会談し、米朝交渉の成功に向け韓国に役割を果たすよう要請するなど、関係国による話し合いの努力が続いています。


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