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2019年4月26日(金)

普天間基地 外来機4倍

17→18年度 「沖縄の負担軽減」どころか

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 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)への同基地所属以外の外来機の離着陸回数が2017年度から18年度にかけて4・2倍になったことが、防衛省沖縄防衛局の調査で分かりました。米軍の自由勝手な運用と米軍機の飛行が激化しており、安倍政権がいう「沖縄の負担軽減」が口約束にすぎないことが明らかになりました。

 調査によると、18年度の普天間基地への全機種の離着陸回数は1万6332回と、17年度の1万3581回から2割増となりました。うち、外来機が18年度は1756回と、17年度の415回から急増しました。

嘉手納・岩国から

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(写真)普天間基地に初飛来した、岩国基地所属のF35Bステルス戦闘機=2018年11月27日(米海兵隊ウェブサイトから)

 内訳をみると、米空軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)と、米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)所属機の離着陸が目立ちます。

 嘉手納所属機の飛来は、普天間基地の滑走路補修が終わった18年1月以降、急増しており、KC135空中給油機(17年度30回→18年度244回)、P8哨戒機(同5回→250回)、MC130特殊作戦機(同5回→36回)などとなっています。さらに、嘉手納基地は今年1月から滑走路2本中1本を改修中で、P8の飛来が1月から急増しているのは改修の影響とみられます。

 岩国所属機は、F35B(同0回→60回)、FA18(同50回→90回)など激しい騒音をまき散らす戦闘機が飛来。FA18はこれまで、嘉手納への飛来が目立っていました。特に、「沖縄の負担軽減」を口実に普天間から岩国へ移駐したKC130空中給油機(同9回→175回)は18年2月からほぼ毎月飛来。18年6月には日米合意で制限されている午後10時以降の離着陸が7回確認されています。

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 安倍政権は普天間基地の危険性除去として辺野古新基地(沖縄県名護市)建設を強行していますが、仮に完成したとしても嘉手納基地がある限り、辺野古への飛来や、長い滑走路を必要とする固定翼機のために那覇空港の利用が狙われることは避けられません。

夜間離着陸も急増

 日米合意で制限されている午後10時から翌朝6時までの深夜・早朝の離着陸回数も、17年度566回から18年度618回へ増加。垂直離着陸機MV22オスプレイは、170回から224回に増えています。

 宜野湾市への騒音などの苦情件数は5年連続で増加。2018年度は前年度比1・5倍の684件でした。

 市民からは、「人が住むところじゃない。毎日地獄にいる思い」「すぐ横を飛び、ベッドまで振動で揺れる」「窓を開けて子どもを昼寝させることもできない状態。ずっと扉を閉めたまま過ごすしかないのか」といった悲痛な声が寄せられています。(柳沢哲哉)


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