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2019年4月24日(水)

放課後デイサービス

事業所の78%が報酬改定で減収

全国放課後連調査

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(写真)会見する全国放課後連の(右2人目から)田中事務局長、中村尚子、丸山啓史両副会長ら=23日、東京・霞が関

 障害のある子どもの放課後保障全国連絡会(全国放課後連)が、放課後等デイサービス(放課後デイ)に取り組む全国の事業所に行った調査で、昨年4月の放課後デイ報酬改定によって354の事業所のうち78・2%で前年よりも運営費の減収になったことが23日、分かりました。全国放課後連が厚生労働省内での記者会見で明らかにしました。

 全国放課後連は、障害のある子どもたちの放課後生活を豊かにしようと、支援の質の向上に努めている事業所が、報酬改定の影響で運営が困難に陥っていると指摘。障害の状態が「重い」子どもを多く受け入れているかどうかで、報酬に差をつける区分制は子どもを対象とする事業にふさわしくないと批判。「子どもに対して手厚い支援ができるよう努力していることをこそ評価すべきだ」と求める提言を同日、厚労省に提出しました。

 減収した事業所からは「約10%の減収」「4施設で月約150万円の減収」などの声が寄せられたといいます。

 全国放課後連の田中祐子事務局長は、国が報酬改定の目的を、利益優先で支援の質が低い事業所を減らすためとしていたにもかかわらず、実際は、子どもに手厚い支援を行ってきた事業者ほど減収の影響が大きいと強調。職員数が減った事業所などで「屋外での遊びができなくなり、室内に子どもたちが閉じ込められるようになっている」などの影響が出ていると語り、制度の改善を求めました。


 放課後デイの報酬改定 厚労省は昨年4月からの報酬改定で、障害のある学齢期の子たちが通う放課後デイの事業所を、障害の重い子どもが半数以上の「区分1」と、それ以外の「区分2」に分類。それまで一律だった報酬に差をつけ、基本報酬は「区分1」で3~5%減、「区分2」は10~12%減になりました。全国から批判が上がったのを受け、厚労省は、事業所から求めがあれば区分判定のやり直しに応じるよう自治体に通知。一部、「区分2」から「区分1」への変更で、大幅減収を免れた事業所もあるものの、再判定をしなかった自治体は全国で約7割に上っています。


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